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サッカー観戦客のための立ち寄り嵯峨野線観光ガイド-前編-

 京都サンガF.C.の新スタジアム「サンガスタジアムbyKYOCERA」は京都駅から快速ならば20分くらいで着く亀岡駅のすぐ目の前。今回は「せっかくなので途中下車して観光スポットに立ち寄ってみたい」という旅行マインドあふれる方々に贈る、駅から徒歩10分以内のスポット紹介でござる。

①梅小路京都西駅

→徒歩2分
 京都鉄道博物館 [ 10:00~17:30(水曜休館)/大人1200円]

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 鉄道好きならわざわざ薦めなくても行くだろう王道ミュージアム。展示車両は写真も撮り放題で、いわゆる「映え」る施設である。鉄道に興味が薄くてもそれなりに楽しい。個人的には、屋上デッキからの眺め(=写真)がオススメ。東寺五重塔、京都駅、京都タワー、大文字山、比叡山…など京都らしい盆地な風景が見渡せる。目の前で新幹線と在来線+私鉄が行き来する様子は、好きな人は一日いても飽きないらしい…すみません、誇張しました。梅小路京都西駅からは超近い。当たり前だ、この施設のために作られたような駅だし。かつてごく一瞬、梅小路公園がサッカースタジアムの候補地に挙がったこともあったが、それは幻。

②丹波口駅

→徒歩8分
 島原界隈 [いつでもOK/歩くだけなら無料]

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 丹波口という駅名は、秀吉が京都を御土居で囲った時代に丹波への街道の出入口だったことを示す。つまりここからまっすぐ西に行けば丹波の亀岡に着く。京都人ですらよく誤解してるが、亀岡は京都の北ではなく西にある。ところで御土居は京都の内と外を明確に分けた“境界”である。この辺りでは嵯峨野線~1本西の筋までが御土居のライン。なので線路の高架より西が京の外、東側が古くからの“下京”ということになる。駅の南東の一角にあるのが江戸時代の遊郭街だった「島原」。太夫という格の高い遊女がいた場所で、新選組の近藤勇らが通ってた「輪違屋(=写真)」などがあるが、通常非公開。「角屋」は公開してる期間もある。幕末の雰囲気を感じられる界隈ながら、観光客は割と少なめという穴場。中央市場が近いので昼時にはすごく行列ができる和食屋がある。

③二条駅

→徒歩10分
 神泉苑  [8:30~20:00/境内無料]

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 二条駅の観光地=二条城!と思われがちだが、二条駅から歩くと入城口までは結構遠くて20分はかかる。二条城に行きたいならおとなしく地下鉄東西線を1駅乗ろう。お城の南にある神泉苑なら徒歩10分圏内。ここの池は京都の中心部を東西にに貫く「御池通」の名の由来となった池。平安京の苑池と説明されるが、平安京直下は大きな水瓶になっているため、湿地帯の部分に池を掘っておくことが治水土木的に必要だったのだと考察できる。いずれにしろ京都市内では数少ない平安京の面影を残す遺構。池の中央には水の神様が祀られているが、現在管轄してるのは東寺系の寺院。京都ではよくあること。青空がきれいなお天気の日や桜や紅葉の時期は結構写真映えする。

④円町駅

→スルー。だけどポイントになる駅

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 4駅目にして最寄りに目ぼしい観光スポットがない。ただし、円町駅は京都観光の基点としてとても有能な駅なのだ。金閣寺に行きたいなら、円町駅で降りて市バス(204・205系統)に乗るアクセスが正解。京都駅から市バスに乗ってはいけない。その他の市内の観光地からのバス←→JRの乗り継ぎも良好。清水寺や祇園エリアからは市バス202系統、銀閣寺とか南禅寺方面からなら市バス204系統とか93系統に乗れば円町駅(西ノ京円町)に到着できる。円町→亀岡は快速でわずか13分、運賃も240円と、京都駅&二条駅から乗るより安い。「市内観光から亀岡移動なら円町駅を利用」と覚えておいて損はない。

⑤花園駅

→徒歩5分
 法金剛院  [9:00~16:00/500円]

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 駅から北に7~8分行けば京都屈指の禅寺・妙心寺の広大な敷地が広がっているのだが、あまりに境内が広くてちょっと遠いので、駅を出て北西すぐにある法金剛院をご紹介。この駅の辺りは、平安時代には都の喧騒から離れた郊外で、高貴な人々が隠棲したり出家したりする適地だった。法金剛院を建てたのは藤原璋子(たまこ)という女性。鳥羽天皇の中宮・待賢門院(たいけんもんいん)である。その美貌ゆえに平安末期に政治を混乱に陥れた魔性の女、というのがよく語られる通説。詳しくは名作大河ドラマ『平清盛』を見よう。彼女が出家したこの寺は、現在は花の寺として知られ、春の待賢門院桜、夏の蓮、秋の紅葉…などが有名。仏像好きなら平安時代作の阿弥陀如来像もマスト。あとは、璋子との噂もあった歌人・西行も何度か立ち寄ってるとか、歴史ロマンが漂っている。なお、ぐるっと北に回れば璋子の墓・花園西陵(=写真)がある。

 後編は「太秦」「嵯峨嵐山」「保津峡」「馬堀」「亀岡」。後日アップ予定。

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