J2視覚化計画2024〈第21節〉

#J2視覚化計画2024

首位を走っていた清水が連敗し、首位陥落。自動昇格争い〈3チーム〉→プレーオフ圏争い〈6チーム〉→秋田→残留争い〈9チーム〉…と3グループに分かれつつある展開に。監督交代後の鹿児島、栃木あたりの復調が目覚ましく、残留争いは混沌。ひとりポツンと置いていかれた群馬は苦しい。

J2予報士 夢叶のJ2天気

みなさまこんばんは。「J2天気」のキャスター・J2予報士の塩鶴夢叶（しおかく ゆめか）です。全国的に遅めの梅雨入りとなり、本格的な雨のシーズンとなりました。一昔前までは「梅雨＝しとしと雨」のイメージでしたが、今は亜熱帯気候のような降り方になっています。豪雨にはくれぐれもお気をつけください。さて、リアル空模様とJ2空模様は別の世界ですが、梅雨空とリンクするようにスッキリ晴れないところ、豪雨になっているところもあるようで…。

みちのく・仙台地方はうす曇り。前節は自動昇格圏を走る長崎相手に劇的勝利寸前で追いつかれるという悔しいドローでしたが、今節は隣県のライバル山形に乗り込んでのダービーマッチ。山形の繋ぐサッカーに対して仙台はプレスやパスカットで対抗すると、パスカット→ショートカウンターの形から相手のハンドでPKを得て、先制。しかし8分後に今度は逆にハンドを取られ、これを昨季まで所属していた氣田選手に決められてしまいました。終盤にかけ“カウンター前線”がピッチを上下するような展開になりましたが、仙台は1つエラーを起こしても次でリカバリーして事なきをえましたね。守備が崩れなかったのは好材料ですが、またしてもドローに終わりスッキリしない空模様。攻撃面の物足りなさは夏の移籍期間でどうにかしたいところです。

大分は雨。雨量も多くなっています。14節以降勝ちがなく、怪我人も続出する悪天候が続く中で迎えた鹿児島とのバトルオブ九州でしたが、0-3の惨敗。伏線はかつて第一次片野坂政権のエースだった藤本憲明選手でした。序盤から藤本選手に最終ラインの背後を狙われていましたが、35分に裏抜けした藤本選手を安藤選手が後ろから止め退場。直後からメンタルの向きが消極的になり、ラインが下がったままの状態で空中戦で競り負けて失点してしまいました。数的不利で耐えたかったところですが、後半鹿児島にダイナミックに崩されて2失点目を喫すると、保田選手が異議で2枚目のイエローを受け2人目の退場。これでゲームが壊れました。“シームレス”を標榜していた第二次片野坂政権ですが、土砂降りの様相。降格線が3差まで迫る中、次節は出場停止が3人。正念場です。

秋田は曇りのち晴れ。ここ最近はなかなか勝てないゲームが続いていましたが、今節は首位清水を相手に3-1の完勝劇を演じました。先制点も2点目も、複数人が絡みながらボールをしっかり動かし、最後は梶谷選手が仕上げた見事なゴール。球際へのしつこい寄せと回収から、意図を持って攻撃へと転じる場面も目立ち、もはや「ドン引き＋カウンター」をやっていた頃の秋田ではありませんね。ちょっと去年の町田を思い出す強靭さでした。何より見事だったのは守備への切り替えスピード。誰ひとりサボることなく帰陣し、相手のやりたいことを封じました。終盤に攻勢を浴びても、攻める意志を持ち続けたのもよかったですね。92分にカウンターのチャンスで笛が吹かれ、吉田謙監督がズッコケたシーンは、むしろ勝ちへの執念温度の上昇ぶりを示していました。秋田にとってこのゲームは、数年先まで「ベストゲーム」として語り継がれそうです。

清水は晴れのち曇り。ホームでは絶好調が続く一方で、ここ最近のアウェーは3連敗中。そんな中で迎えた、魔境・秋田での一戦でしたが、1-3と思わぬスコアの敗戦となりました。とにかく秋田の寄せの圧力に手を焼き、単純なクロスは跳ね返される、と攻め手が見いだせませんでしたね。前節・愛媛戦同様に、勤勉に走る相手の運動量をかいくぐれないまま、失点を重ねてしまいました。特に2失点目ですが、クロスを上げられるところ、ヘッドで折り返されるところ、どちらにも誰も寄せきれていませんでした。好調時に最終ラインを支えていた住吉選手らの不在も響いています。まさかの完敗ムードでしたが、5枚目の交代で入った松崎選手は流れを変えましたね。でも時すでに遅し。ここからは他チームの「清水対策」をいかに越えるかの試練が続きます。次節、4位岡山との上位対決で暗雲を払いたいところです。

【発令中の警報・注意報】
〈大分〉大雨注意報
〈熊本〉大雨注意報

【対戦相手への警戒・注意情報】
〈長崎〉18戦負けなし継続＆助っ人外国人爆発情報
〈横浜FC〉破竹の6連勝＆福森警戒情報

次節はいわきvs横浜FC、清水vs岡山など昇格争いに絡む注目カードが。それではまた次の週末にお目にかかりましょう。この下の有料ゾーンに特になにもありませんが、ご支援大歓迎です。