京大シネマ研究会

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カナザワ映画祭2020グランプリ受賞『クールなお兄さんはなぜ公園で泥山を作らないのか』評

『クールなお兄さんはなぜ公園で泥山を作らないのか』評 昨日(11/22)に開催されたカナザワ映画祭2020にて、見事期待の新人監督賞グランプリ受賞を果たした保谷聖耀監督作『クールなお兄さんはなぜ公園で泥山を作らないのか』。まず、おめでとうございます!これからの活躍にも期待しております! 今回は僭越ながら本作についてのレビューを執筆しました。さらなる拡がりと進展にわずかでも寄与することができれば幸いです。 はじめに 本作は良くも悪くも、非常に「錯綜した映画」である。錯綜して

    • 自戒を込めて―――『スパイの妻』評

      これまでちょくちょく映画について書いていましたが、それではなんだかまとまりがないのでこうやって書いてみることにします。主に新作映画についてになるかと思われます。第1回は『スパイの妻』について。駄文ですが読んでいただけると幸いです。 まずはじめに自戒も込めて指摘しておく。“黒沢清的”というタームに惑わされる者、それによって本作に登場する『映像』から気づきを得ることができない者には、本作を語る資格など無いように思える。たしかにスパイの妻には多くの引用映画があるらしいし、また黒沢

    カナザワ映画祭2020グランプリ受賞『クールなお兄さんはなぜ公園で泥山を作らないのか』評