やっぱりTeX が使いたい
大学院を出てからすでに4ヶ月以上が経過してしまった. 修士課程で獲得した経験の重みを感じながら充実した教員生活を送っている. ただ一つ消えない不満がある. TeX が使いたい!!.
数学の資料作成に関して, 中等教育において多くのシェアを占めているソフトは数研出版のStudyaidである. このソフトを使用する長所は, 図の作成, 過去問データベースへのアクセスなどである. これは中等教育において必要となる業務の多くをカバーしている. しかしながら, 私が感じている, 唯一にして最大の欠点はコマンド入力できないことである. 一文字一文字手入力をしなければならない. これがどうも, 慣れない.
授業プリントを作成するにあたって, 重要なことは, 親切な解説文である. 問題文の打ち込みはともかく, 親切な解説文は, コマンド入力したい. 例えば式変形を丁寧に記述したい際に, 手入力で全て打ち込むことは, 面倒になってしまい, 結果として, 不親切な飛躍のある文章になってしまう.
慣れの問題なのかもしれないが, これに関しても大きな問題がある. 再現性のないスキルを身につける気にならないという問題である. Studyaid による文章作成スキルを身につけたとして, それはStudyaidによる文章作成スキルが向上する以外のメリットがあるのだろうか. 他の業務に活かすことのできないスキルを積極的に身につけようとすることが, 私にはできない.
他方,TeXは良い. 1度TeXによる文章作成に慣れてしまえば, コマンドの汎用性, プログラム言語の理解, 問題作成の自由度, 共同制作などの観点から, 多大なる利益を享受することができる. 例えばこのnoteにも
$$
\displaystyle{\sum_{k=1}^nk^2=\frac{1}{3}n(n+1)(n+2)-\frac{1}{2}n(n+1)}
$$
のようにtexのコマンドを利用して数式を入力することができる. また例えばコマンドを理解していれば, 簡単な言語(HTML, CSS, Java)を容易に扱うことができる. ホームページ作成程度なら1週間程でできる!.
もちろん, TeXにもデメリットがある. 例えば複雑な図の作成に関してはStudyaidの方が適しているかもしれないし, 過去問の配布に関してもStudyaidの方が適しているかもしれない. しかし, 今は"大,生成AI時代"である!. グラフのコマンドはChat-GPTに投げれば教えてくれる. 我々がすべきは微調整のみである. ここで重要なことは, Chat-GPTは, 手入力を必要とするStudyaidによる文章作成を, 手伝ってくれないということである. もちろんPythonなどの環境を構築すれば手伝わせることはできるであろうが, その知識があるならば, そもそもTeXを使用しているのではないであろうか!!
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