見出し画像

歳とってますますお盛ん? アーティストも色々②

「わかる/わからない」の視点で、アートに関わる話を、思いつくままつらつらと綴っています…。
 アーティストは長生きなのか夭折なのか? 勿論、作家によって異なるわけで一概に言えませんし、人生がいつ終了するかは誰にもわかりませんよね。とは言え、自分が還暦を迎えるような年頃になると、どうしたって、歳をとってから活躍しだした人に興味がわいてしまいます。

こちらの画家はご存知ですか?

ルソー 自画像

《風景の中の自画像(私自身、肖像=風景)》
 1890年
 143(H) ×110(w)㎝ / 油彩・キャンバス

なんだか、とぼけたオジサンに見えますよね~。デューラーの自画像とは大違い! 
 名前はアンリ・ルソー(1844‐1910) フランスの素朴派の画家です。…素朴派って、なかなか良いネーミングです。技巧が優れているとは素人目にも思えないのですが、なぜか引き込めれるというか…。何だろうこれ?
 ルソーの経歴を調べると、輝くセカンドライフ!の代表選手みたいで、とてもそそられます。20年以上も税関士の仕事を続け、41歳で初めて本格的に絵を描き始め、年金受給の資格を得ると、さっさと退職して専業画家になりました。専業画家と言っても、趣味の日曜画家からのスタートですが、晩年には年金をはるかに超えるお金を、自分の作品で稼ぎ出しているという!!
    『アンリ・ルソーにみる アートフルな暮らし』 から引用

ルソーと言えばこちらの作品が有名ですね

蛇使い

《蛇使いの女》
アンリ・ルソー
1907年
167(H)×169(w)㎝ / 油彩・キャンパス

 じっくりと眺めていると、ジャングルの湿った熱い空気と、怪しげな笛の調べが、まったりとねばりつくような感覚がしてきます。以前、こちらの作品で認知症の方々と対話型鑑賞を楽しんだ時、一目見て「わぁ~ 嘘くさいね~」とコメントしてくださった方がいました。そうなんです。ルソーは一度も実際のジャングルに行ったことはなく、(植物園などで観察は存分に行ったようですが)想像だけで、こちらの大作を描き切ったのです。

 自分がいつ死ぬのかは、誰もわかりません。自分のやりたいことだって、はっきりしていないことが多いです。だからこを、やりたいことがあるのなら、想像力を使って”できない理由”を弾き飛ばして、まずやり始める。ルソーのヘタウマで魅力的な作品を眺めていると、人生100年時代のセカンドライフにある、キラキラとした可能性が見えてくるのです。

<参考>
ルソーを”感じたい”方にはこちらもお薦め。
『楽園のカンヴァス』 原田マハ 著



この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
おお! リアクションいただけるなんて感激です
1
「分かりやすい」がもてはやされ過ぎていて、人が持つ、不思議とかはっきりしないことに向き合う力が、随分と衰えているなぁと感じています。そうだ、アートと触れ合おう!  アートナビゲーター(美術検定1級)
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。