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ちょっと休憩、がいいのです 美術館の楽しみ方⑤

「わかる/わからない」の視点で、アートに関わる話を、思いつくままつらつらと綴っています…。
美術館での楽しみ方を紹介していたら、なんと5回目! まだまだ続きそうですが、今回は休憩しようかなと。

 アート作品って結構パワーがあるので、じっくり鑑賞していると、こちらが削られてしまったかのように感じることがあります。いわゆる、熱気にあてられた状態ですね。その際は、あわてて美術館から退散する前に、休憩時間をとりましょう。
 お洒落なカフェが併設されている美術館でしたら、そちらでお茶する。これが一番のお勧めです。今、観てきた作品を思い出しつつ、あるいは全く関係なく、同じ美術館の空気の中で、ふぅ~っと一息つく時間が、たまらなく心地よいです。自分の感覚を目いっぱい研ぎ澄ませた後、緊張を解く感じですね。あてられた熱を一旦覚ますのにも効果的。旅の途中で茶店に入るイメージですね。これから続く道中に向けて英気を養う。実は、そこの茶店自体が旅の目的の一つだったりするかもしれません。

広重_鞠子

《東海道五十三次・鞠子》
歌川広重
1833‐1834年


 江戸時代の旅も、行く先々での様々な出会いに人々は心動かされ、時に喜び、時にしんどくなったことでしょうね。一杯のとろろ汁で、その気持ちをリフレッシュされていたに違いありません。……なんてことを、一枚の浮世絵からも勝手に想像しちゃいます。
 美術館でのアートの旅には、休憩も大事な行程の一つだと思います。 

 あ、ここで美術館関係者の方がいれば一言。お茶した後に展示に戻れないという美術館があるのですが、これはぜひぜひ再考をお願いしたいのです。できれば、美術館の外に出かけても、その日のうちなら再来をOKとしていただきたいのです。予約制が日常になってきた今日この頃だけに、運営上難しい点はあると思いますが、旅の楽しみの一つを、何とか残してくださればありがたいのですが…。

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