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猫好きになると気になるアート作品

「わかる/わからない」の視点で、アートに関わる話を、思いつくままつらつらと綴っています…。
 我が家に猫がやってきて3か月。動物好きとは決して言えない自分が奥様や娘からの長年の要望?についに負けて、家族として保護猫を迎えいれたのですが、まぁ身近にいるとやはりかわいいものですね。
 関心がわくと、俄然、アート作品でも動物をモチーフにしたものが気になりだします。

なまづ

《なまず》
歌川国芳
1841年頃

 歌川国芳と言えば、ダイナミックな武者絵で有名な江戸の浮世絵師。一方で、ユーモラスな表情の動物たち、特に猫を描くのもお好きな様子。普段見せる表情を描きながら、猫の好物?を「当て字」にしてしまうというシリーズ。他にも《ふな》とか《たこ》とか《かつを》とか。
 以前はこうした作品を観ると、「ありえないポーズなんじゃないの?」って疑いを持っちゃってましたが、確かにこういう仕草をするんですよね。よく見てます。

猫_ボナール

《白い猫》
ピエール・ボナール
1894年

 こちらはナビ派ボナールの作品。これはいくら何でもデフォルメがきついでしょ、という感じではあります。頭が体に埋もれてしまっているし、足が長すぎ! でも、確かにこんな伸びをしていることはよくあるし、猫の頭の大きさって見た目よくわからなくて、やたら大きく感じる時もあれば、めっちゃ小さく見える時もあり……不思議。こちらの作品からは、そんな”猫”の不思議感というか、特徴がとっても伝わってくるのです。

 アーティストたちが、近くにいる動物たちに関心を寄せるのって、かわいいにプラスして、「お? 何これ?」みたいな面白い表情をみせるからなんでしょうね。わかるような気がします。
 ただ、モデルとしてはじっとしてポーズなどとってくれないので、一瞬の様子を焼き付けないと表現しきれないような気もします。アーティストの観察力の鋭さに、驚かされますね。

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