見出し画像

ドラッカーに学ぶ生き方と働き方の作法

第Ⅲ部 いよいよ最終章


問いかけられているのは、第2の人生をどう生きるのか?
第2の人生!?
いえいえ、、、よく読むと・・・

ビューフォードの本からスタートするこの本は、トータル・ライフの樹
の話になります。

なぜ、第2の人生なのか。
問いを書き換えると、
自分の根は何なのか?
その根をどう展開するのか

強みは=主客合一

 いままで成し遂げた強みは何か?

西田幾多郎の力を借りることとしましょう。

我々は少しの思想も交えず,主客未分の状態に注意を転じて行くことができるのである。
たとえば一生懸命に断岸を攀ずる場合の如き,音楽家が熟練した曲を奏する時の如き,全く知覚の連続といってよい。また動物の本能的動作
にも必ずかくの如き精神状態が伴うているのであろう。・・・
意識が一より他に転ずるも,注意は始終物に向けられ,前の作用が自ら後者を惹起しその間に思惟を入るべき少しの亀裂もない。これを瞬間的知覚と比較するに,注意の推移,時間の長短こそあれ,その直接にして主客合一の点においては少しの差別もないのである。

西田幾多郎『善の研究』岩波文庫16頁

いいかえれば、主客合一=夢中になれるのはなにですか?
強み=一になること。
夏目漱石は

既に一致した以上は一もなく二もないわけでありますからして,この境界に入れば既に普通の人間の状態を離れて,物我の上に超越しております。

夏目漱石『文芸の哲学的基礎』

音楽家が演奏している時のように<人馬一体>となった経験の積み重ねが強み。

主客合一の純粋経験に生きる=強みを活かす

最後に人心の苦楽について一言しよう。一言にていえば,我々の精神が完全の状態即ち統一の状態にある時が快楽であって,不完全の状態即ち分裂の状態にある時が苦痛である。・・・
快楽の一面には必ず苦痛あり,苦痛の一面には必ず快楽が伴う,かくして人心は絶対に快楽に達することはできまいが,ただ努めて客観的となり自然と一致する時には無限の幸福を保つことができる。

西田幾多郎『善の研究』岩波文庫118頁

なるほど、Drucker for Survival

確かに、生き延びることを書いた良書でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?