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ネコ闘病記

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愛猫ルルちゃん(オス14歳、サイベリアンっぽい雑種、体重10 → 8.5キロ)の口腔内の癌闘病記です。病気のペットを支える人、延命について悩むご家族に少しでも参考になる部分があれ… もっと読む
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#フランス

家族の病気が発覚

「ああ、口の中に腫瘍ができているね」 「しゅ、しゅよう?」 フランス語で腫瘍を意味する tumeur がわからなくてバカみたいに聞き返した。 「そう、腫瘍。つまり癌だよ」 年配の獣医さんはそう言って、14歳ならしかたないね、と付け加えた。 目線が低い車イスのぼくにも見ることができるようにと、獣医さんが患部の写真を撮れるようにしてくれた。ルルちゃんの左上顎奥歯の周囲が凄く痛そうなことになっている。 【下に口の中の患部の写真を載せています。苦手な方は閲覧注意でお願いします

フリーランスの猫を探して

ルルちゃんがうちにやって来たのは今から9年前、東北の大震災の少し前のことだった。猫と暮らしたいね、って夫婦でずっと言っていたけれどペットショップで買うのではなく、困っているフリーランスの猫を助けたいよね、という思いがあって。あまりにも猫を探していて、ビニール袋を野良猫と見間違えて急ブレーキをかけたことも。ときどきよその猫を預かったりはしていたけれど、正式な保護猫の引取となると収入の条件があるとか地上階に住んでると(猫が逃げ出すかもしれないので)断られるとか、いろいろ敷居が高そ