蒼い青年の遠い回顧
ある晴れた日、雲一つ無い青空の下、
母は自分にこう言った。
「愛せる者を見つけなさい。共に居たいと思う者になりなさい。」
けれどもそれは見つからず、
未だになれやしないんだ。
心に残る青天の霹靂。
ある雨の日、降り注ぐ雫を眺めて、
父は自分にこう言った。
「嘘はつくな。嫉妬せず、素直な者になりなさい。」
けれどもそれは守れず、
未だになれやしないんだ。
心に刻む雨夜の月。
所詮全ては綺麗事。迷う事すら疎ましい。
なれないものには焦がれない故、
身の丈の世界を生きる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?