第1話 貧困とおやじの背中

こんにちは、カイルです!

記念すべき第一章 一話 開載いたします。

パチパチパチパチ👏




僕は、和歌山の最果ての土地出身で近くに高速道路も無く交通手段がほぼ電車しかない所の出身だ。

でもそんな土地には、素晴らしいオーシャンビューと川、そしてむっそりと生い茂る紀伊山地の山々がどんと構える素晴らしい所に生まれた。

幼少期時代、友達と海に行っては、モリを片手に大海原に飛び込み蒼く輝く鱗の魚や貝をとって、
火を焚く。

それを焼いてたべれば、また取りに行くという遊びが僕らの地元の遊びであった。


山に行けば、探検と称し廃トンネルの向こうは何があるのかな?とウキウキしながら山に入って、
飽きれば、500平米以上の広大な土地を使って鬼ごっこや警泥ごっこなどをして遊んでいた。

都会に住んで、今思えば昨日のことの様に鮮明に覚えている。


そんな僕にでも嫌な事があった。


それは、家庭が貧困であること。

子どもの頃は、本当に嫌だった。

「なんで俺んちだけこんな貧乏なん?」

「友達は、いいジャージ(当時アスレタが地元では流行っていた)着ていて俺は、あんまり知らないジャージでしかもケツ破れてるやつやし」

友達がいい物を買った時は、物凄く嫉妬していた。

嫉妬し過ぎて、友達の物を盗んだ事もある。

その度に、おやじが僕の頭を鷲掴みし一緒に頭を下げたのが何回もある。

でも、おやじは僕に対して怒る事はなく無言で背中を見せて家に帰っていく。

一度聞いた事がある。



僕:「なんで悪い事をしたのに、怒らんの?他の親は絶対にゲンコツ一発はあるのになんで?」

おやじ:「…」

僕:「…」

おやじ:「… お前も人の親になればわかる」

それからも、僕は学校で色々問題をしでかしては、おやじが学校に来て僕の頭を鷲掴みにして頭を下げる事が高校2年生までに何回もあった。



何故こんなに問題を起こしていたのかとゆうと、
やはり、家庭が貧困であったがためにストレスを感じていたのだ。


今冷静に考えると、小中と野球をしていた事と、高校は、私学の学校に入ったのが原因だろうと思う。

学費、スポーツ用品、食費などなど

学費なんてバカにならない。


そんなおやじの仕事は、自営業でクリーニングをしている。

今もそこでひっそりとした生活して仕事をしてる。

個人でやっているので、今思うが、そりゃ裕福な暮らしなど皆無だったと。

しかし、おやじの凄いところは、僕たちの前では弱音を吐かなかった。

僕は、おばあちゃんに聞いた事がある。

「この店いつ潰れるかわからんでな、だから今生きとる事、普通の生活が出来る事、笑顔を忘れん事、しっかり感謝する事は忘れたらあかんよ」

この言葉は、今でも僕の心の中深くで根付いている。

そして、この言葉こそが今の自分を変えた言葉だったのだ。

今更になって思う。


どれだけおやじの背中がたくましく、かっこよかったか。

どれだけ今までおやじの背中でいろんな事を学ばされたか。

どれだけ苦難があったもおやじの背中はいつもと変わらなかったか。

本当に感謝している。

そして、僕もその背中を子どもに見せる時がやってきた。


         おやじ!!


         ありがとう。

         
           
                  カイル


次編2話 過酷と恩師


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