手の痛みシリーズ へバーデン結節
へバーデン結節とは
変形性関節症の一つです。
変形性関節症は、関節にある骨の表面を覆っている軟骨が擦り減ってしまい痛みが出現します。
最後には骨同士が当たってしまい激痛で指が曲げられない状態になります。
指の第一関節の変形をへバーデン結節
指の第二関節の変形をブシャール結節
症状
結節という事もあり、骨のこぶの事で指の第一関節の変形、腫れ、歪みなどの症状が出現します。
痛みに関しては個人差があり、何もしてなくても痛みが出たり、物を摘まむ時に痛みがあったり、就寝時に痛みがでたりなど様々です。
ヘバーデン結節のリスク要因
へバーデン結節の発症が更年期の女性に多いのと、利き手以外にも症状が出現する事からエストロゲンが関与していると考えられています。
その他の要因として、
年齢（40歳以降）
家族歴
肥満
痛風
関節への負担が多い
などが考えられます。
へバーデン結節の検査と診断
まずは、問診で症状の他に突き指などのアクシデントの有無や皮膚のトラブルについて確認します。
次に、へバーデン結節の検査方法としてはレントゲン撮影が行われます。
レントゲン検査では、関節裂隙（関節のすき間）が狭小化しているか確認します。
診察では、外見上の結節性隆起（関節のふくらみのこと）や歪み、患部の圧痛などで診断します。
関節リウマチと区別するために血液検査が行われる場合もあります。
へバーデン結節の治療
治療と言っても基本的には対症療法がメインとなります。
痛みや腫れなどがある部分にテーピング固定をして負担を軽減させたり、鎮痛剤の処方やステロイドの注射などをする場合もあります。
女性ホルモンと関係があると考えられている事から、女性ホルモンと似た働きを持つエクオール含有のサプリメントを摂取する事で症状の緩和ができるので試してみることもお勧めします。
手指が変形してしまい日常生活に支障がでるような場合には関節固定術の手術を行う場合もあります。
手術費用としては10万円ほどで、その内の窓口負担割合となりますので、高い方でも3割負担の3万円ほどでできる手術です。
へバーデン結節の注意点
へバーデン結節は変形や痛みなどが一時的に出現しますが、ある程度経過すると変形は残りますが、痛みは消失します。
そのまま経過をみることが多いですが、変形した部分に水疱（水ぶくれ）が出来た場合は注意が必要です。
この水疱の事をミューカスシスト（手指粘液嚢腫）といいます。
水ぶくれと思い、安易に潰してしまうとそこから菌が侵入します。
ミューカスシストは関節と繋がっているため細菌感染を起こしてしまうと化膿性関節炎となってしまいます。
化膿性関節炎となれば、長期間に及ぶ抗生剤の点滴投与、重篤な場合は手術が必要になる事もあります。
安易に水ぶくれをつぶさないようにしましょう。
最後に
へバーデン結節は、基本的に対症療法がほとんどです。
指の変形など見た目が不細工になり、手術を希望される方もいます。
画期的なのは、女性ホルモンと似た作用をするエクオールをサプリメントとして摂取する事で症状を緩和する方法が出てきたことです。
サプリメントなので、整形外科医の中でも意見の分かれるところもありますが、患者の立場で考えたときに治療の選択肢が増えたことに越したことはありません。
へバーデン結節かもと思われたら、手の専門医に相談する事をお勧めします。
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