日蓮大聖人の言葉『一谷入道御書』いちのさわにゅうどうごしょ 24


裟婆世界は五百塵点劫より已来、教主釈尊の御所領なり。大地・虚空・山海・草木一分も他仏の有ならず。又一切衆生は釈尊の御子なり。譬へば成劫の始め、一人の梵王下りて六道の衆生をば生みて候ぞかし。梵王の一切衆生の親たるが如く、釈迦仏も又一切衆生の親なり。また此の国の一切衆生のためには、教主釈尊は明師にておはするぞかし。父母を知るも師の恩なり。黒白を弁ふも釈尊の恩なり。   

          

建治元年(1275)5月8日執筆
『昭和定本日蓮聖人遺文』992頁


(訳)
この娑婆世界は、五百塵点劫という久遠(永遠)過去以来、法華経の教主である釈尊の御所領(所有する土地)であります。そこにある大地、虚空、山海、草木にいたるまでのすべてであって、なにひとつとも他の仏のものではありません。また一切衆生は、すべて釈尊の子どもであります。たとえば、この世界ができあがったとき(成劫)の始めに、ひとりの梵王が天から下ってきて、地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上の六つの世界(六道)の衆生を生んだことから、梵王が一切衆生の親であるように、釈迦仏もまた一切衆生の親です。また、この国の一切衆生にとって、教主釈尊は正しく教導してくださる師(明師)であり、父母を知るのも師の恩であり、善悪の分別を弁えるのも釈尊の恩であります。

(解説)
4月8日は、お釈迦さまの生まれた日(釈尊降誕会)です。私たちが生きる娑婆世界は釈尊の所領であり、そこに存在する大地や虚空も、釈尊の所有物であり、私たち衆生は釈尊の子です。釈尊は、すべての衆生の親であり、師匠であります。私たちは、釈尊の大いなる慈悲のなかで、生かされているのでありましょう。  
~みんな仏の子~

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