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ご機嫌な自分を育む。

西洋占星術では、人の発達における年齢域と太陽系の10天体を結びつける考え方がある。

例えば、月。0~7才前後までが、「月」に象徴される、「その人の心の奥にある欲求」が育つ期間と考えるのだ。

その天体が対応している年齢を過ぎたとしても、まだその年齢に達していないとしても、それらの天体が持つ傾向は顔を出すし、その成長過程において前進や後退を余儀なくされることもある前提だが、特にこの年齢のときに、各天体が担当しているテーマが強く刺激されると捉えられている。

言わば短期集中講座のようなものだ。そのテーマの成長を促すためかのような、きつい出来事がやってくるのもこの期間だとも言える。

つまり、7才までの期間が、自分の潜在的な欲求や感情が揺さぶられる傾向など、感情的な土台を形成する時期だということだ。発達を7年周期で考えるルドルフ・シュタイナーの教育論でも確か7才までの育て方にポイントを置いていたと思う。

私がこの西洋占星術の年齢域について学んだときに真っ先に思い出したのは、ポラリティセラピーのクラスで学んだオーラックフィールドにまつわる話だ。

ポラリティセラピーでは、万物と同じように人間にも磁場があるという前提があり、自分と自分以外の磁場の境界線がはっきりしてくるのは7才前後だと考えられている。

つまり、7才くらいまでは、周囲との境界線がかなりあいまいだということだ。隣で悲しんでいる人がいると、自分が悲しいかのように悲しくなり、隣に喜んでいる人がいると、なんだかとても嬉しくなる。そんな感じだ。

ここでポイントなのは、この「悲しい」とか「嬉しい」などのエネルギーが、果たして自分由来のものなのか、近くにいる誰かや何かが発しているものなのかが、その年齢の知能では判断できず、すべて「自分のもの」として取り込んでしまう可能性があるということだ。

例えば、とても穏やかな資質を持って生まれた人が、幼い頃にいつも怒っているお母さんと一緒にいたことで、いつも自分もイライラしており、「私は生まれつき怒りっぽいタイプ」と捉えて生きていたり、自分では原因がよく分からない怒りをいつも抱えていて悩んだり。

あるいは、お母さんが、子どもの前では自分の怒りを出さずまいと、グッと感情をこらえて、いつも笑顔で優しい母親を演じているのだが、子どもはそのお母さんの言動の芯にあるエネルギー状態を受け取って、いつもギャン泣きで不安定。

お母さんが抑えている感情を子どもが受け取り、お母さんの替わりに、お母さんが抑えている分過剰に、子どもがそれを表現している可能性も考えたりするのだ。

ポラリティセラピーでは、もうこの境界線があいまいな時期をとっくに過ぎてしまった大人の場合は、その自分じゃない部分と本来の自分をゆっくり優しくすみ分けて、本来の自分を少しずつ取り戻していくという方向のセッションをしていくのだが、子どもがいる私としては、「7才付近にいる子どもに、親として何ができるのか」ということをいつも考えてしまう。

その子が持って生まれたエネルギーを、のびのびと育めるような家ってどんなものだろう、と。

外では強がったり、カッコつけたり、気を遣ったり、壁にぶつかったり、初めてのことだらけで頑張っている子どもたちが、家の中では、泣き言を言えたり、うまく言葉にできない苛立ちを親にぶつけたり、幼児のように拗ねてみたりと思いっきり甘えられるようにするのはどうだろうか。

どんな自分も受け止めてもらえることで、人はお腹が空いただけでイライラすることが分かったり、泣いたすぐ後に笑えることを体感したりできないだろうか。

親がどう寄り添い慰め、励ましてくれたかが、いつか親に見えないところで自分で自分をどう扱うか、どう自分を立て直すかに影響を与えるかもしれない。

自分のやり方が子どもにフィットしないこともあるだろうから、手を変え品を変え、いつか彼や彼女が自分で自分自身を立て直すときのヒントを一緒に探すつもりで試行錯誤してみるのがいいかもしれない。

近くにいる大人は、自分のご機嫌の取り方を上達できるよう努力すること、自分の感情に責任を持つことも重要だろう。自分のイライラを子どもにぶつけてしまったときは、大事な友達にしでかしてしまったときと同じように、しっかり言葉で謝り、あなたが悪かったわけではないことを伝えたい。

そして何より、自分が自分の人生を生きている後ろ姿を見せられたら最高だ。他人にどう思われるかじゃなく、心の芯の部分で自分の生き方に納得している状態で隣に在れるように。自分の機嫌の良し悪しは、ここに関係していることも多い。私の場合。

子どものことを思うがあまり、子育てを頑張りすぎて、自分より子どもを優先しすぎると、とても悲しい本末転倒になってしまう。

自分に優しくなれることが、子どもの心に優しさとして届くのだ。

すべて、あくまで、私の仮説だけれど。



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