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バンドのライブを客が撮るということ


先日、私の好きなバンドであるSHANKが「僕たちのライブ、撮影していいですよ」と話した。

突然、ライブのMC中に、である。SHANK曰く、「もっとSNSを活用したい」「だからお客さん側が撮影し、拡散してもらいたい」という思いだったそう。

ライブ撮影OKのバンドが好きな人にとっては、あまり驚かない話かもしれない。でも邦楽バンド界隈では、まだまだ客のライブ撮影はタブーなイメージがある。サブスクに否定的な人も多い。

だからこそ「撮影していいですよ」の発言には目を丸くした。うれしいとか、がっかりとか、そういう感情ではなく、ただただ驚いた。でも気づけばスマホを構えて撮影していた。

その体験が、思いのほかよかった。この感情に私は1番びっくりしている。

2500人ほど入るライブ会場で、私は2階席の最前列。視界がクリア。照明が近くてまぶしい。指定席なのでダイバーも来なければモッシュも起きない。言わずもがな2億点満点をつけたいくらいのベストポジションだった。

そこから撮影したという幸運もあるかもしれないし、私のスマホがiPhone14 Proであったことも、幸運だったのかもしれない。

客のライブ撮影はタブーという偏見を破壊し、『感動』が上回った。

きれいに撮影できたうえに、いつでもオフラインで見れる。ライブDVDやYouTubeによくある独特なカメラワークはないが、自分が眺めた場所をリプレイできる。その固定されたカメラワークのおかげで、映像酔いしない。

このびっくりした感情と、期待以上の感動を与えてくれたSHANKには、本当に感謝の気持ちでいっぱいである。


でも「撮影OKになってショック」とか、「SHANKのライブ映像がTwitterで回ってくるのが変な感じ」という意見もチラホラ見て、もちろんその感情もわかる。

どういう背景で「撮影OKになってショック」なのかは、人それぞれの意見があると思う。でも共通して言えることは、みな否定的だということだろう。

あの感動的な体験をしたうえで冷静になった今の私は、「きれいな景色、おいしそうな食べ物、人々の笑顔をインスタに投稿する」のと変わらないのでは?なんて思ってしまったのだが、多分そういうことじゃないのだろう。


私たちは「安心」と「変化」という複雑なグラデーションのなかで、生活をしている。「今までのほうがよかったのに」と変化を嫌う姿勢は、びっくりするほど簡単なことである。

だからこそ、このグラデーションの境界をあえてぶらぶらと歩きまわって、楽しんでみるのもいいんじゃないでしょうか、と私は提案したい。

小さな冒険をするみたいに、偏見というラベルを剥がしてみると、また新たな視点と感動が生まれて、変化に肯定的になると思う。

変化に肯定的になるのは、意外とおもしろいし、楽しいのである。



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