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【KY20】日経225最高値更新はバブルなの?は適切な問いではない



本当に知りたいことは株価が上がるか、下がるか?

バブルとは何か?

今がバブルかどうかは、バブルが過ぎ去った後に分かる。
識者は、このように一様に言います。もちろん今がバブルだと指摘する人も数多くいますが、証明しようとなると未来のことは分からないし、結果が証明するとしか言えないことは自明の理ですから、それ以上説明することは無意味です。

また皆さんの関心ごとは、今後株価が上がるか、下がるかということなので、現象そのものに関心は少ないと思います。
そこで今回は、この問いについて考えてみようと思います。

自分の体験とアノマリー

アノマリーとは相場における経験則です。
バブルにまつわるものとしては「靴磨きの少年」が有名です。ケネディー元米国大統領の父親が大恐慌前に、靴磨きの少年までもが株が儲かると言い出したのを聞いたので、株価はピークだと思い持ち株を売却し難を逃れたという逸話です。
最近は、この逸話が取り上げられることが多いですね。

それはさておき、バブル崩壊(1989)と自分の体験について振り返ってみます。

当時の私はまだ小学生で、全く恩恵を受けなかった世代になります(笑)
バブルは持つ者と、持たざる者の持たざる者の二極化が進むと言われています。私の記憶のなかで強烈に残っているエピソードがあります。
お正月のお年玉の格差です。私の姉(高校生)や私より年上の従兄弟がもらった金額です。渡す人の平均額が3-5万円で、最高額が10万円、トータルで20-50万ぐらいもらっていたようです。

小学生の私は5千円ぐらいでした。当時の私は、自分も高校生になればそれぐらいもらえるのだと、思っていたのです。
ところが、バブル崩壊後は皆さん正気に戻るのでしょう。一人から1万円もらえたら良い方でした。
タダでもらえるのだから文句を言うべきではない気もしますが、大人になってからも理解不能です。やはりバブルだったのです。

日本はバブルなのか?

自分の1989年の体験からすると、今の日本はバブルではないです。目に見えるような二極化はありませんし、インフレと実質賃金低下が続いており生活苦です。
実質GDPが二四半期連続マイナスですから、テクニカル・リセッションです。

また日本の上場企業の予想PERが15-16倍ですから、株式市場もバブルではないです。

米国のAIバブル

最近、海外ニュースの記事を見ていたら(引用元はどこか忘れました)、米国の高校生がTikTokかインスタか、何かSNSの広告で収入を得て、テスラのEVを買ったというものがありました。そのニュースでは他に、大学生が株式投資でお金を稼いで、学費の足しにしたり、生活費にしたり、親の援助をしたり、そのようなことが書いてありました。
S&P500に投資すれば簡単に儲かる、みたいな話題がてんこ盛りでした。

何か似ているなとふと思い出したのですが、日本のバブルでも当時の大学生がそこら中で株で儲けた話をしていましたね。

話を元に戻すと、最近はNVIDIA株が右肩上がりで、米国市場を牽引しています。これを見て、AIバブルだという人が多いです。
確かに実態が伴っておらず、期待だけで上昇しているので、それなりに理由があります。なお実態が伴っていないというのは、実需の面においてという意味です。
例えば生成AIというのは消費電力が飛躍的に伸びると言われているのですが、今のところ電力会社の売り上げがAI需要のため伸びているわけではないですし、株価もNVIDIAみたいに上がっているわけではありません。

米国がくしゃみをすると日本は風邪をひく

米国がバブルかどうかはさておき
マーケットの共通認識として、米国市場は上がりすぎであり、いずれ調整局面に入ることについては、あまり異論はありません。
ノーランディングの見立てをする識者は、少ないです

日本の株式市場は米国市場の影響を強く受けるため、日本の株式市場も同時に下がることが多いです。
そして識者によって違いはありますが、今年だとFRBの1回目の利下げ時期がピークと見る人もいれば、米国大統領選挙の3ヶ月前後がピークと見る人もいます。そのとき日本も同時に下がるだろう、ということです。

ソフトランディングかハードランディングか?も適切な問いではない

株価が下がることは共通認識

いずれ調整局面に入り、株価は下がることはマーケットの共通認識です。
そしてソフトランディングかハードランディングかの違いは、そこで止まるか、さらにもう一段二段下がるかという点です。

しかもどれくらい下がれば、ソフトランディングかハードランディングなのか、コンセンサスはほとんどないです。

結局この問は個人レベルで考えると、ポートフォリオをやり繰りして下げを甘受するか、さらなる下げを見越して消極的に資金を引き上げるか、もしくは積極的にショートポジションを取るか、ということです。

なお証券会社やFPなどは、ポジショントークで買いを煽っていますね。今が株式投資のチャンスとか、積立NISAの米国投資であっても有害だと思うのですけどね。

多くの識者はどのようなアドバイスをするか?

最近、バブル経済について書いてある本を、好んで読んでいます。
論調としては、バブルで損をするのはアマチュア投資家や経験の浅い機関投資家で、得をすることができるのは熟練の個人投資家と手堅い機関投資家、となります。

前者であれば、バブルに乗るより、さっさと降りるほうが得策ということです。確かに上昇相場に乗れなくても、電車を一本乗り過ごすだけと思えば、失うものはないです。失うものの方が、圧倒的に大きいです。

空売りのショートポジションはリスキー

マネー・ショートという映画があります。
内容は簡単に言うと、マイケル・バーリという投資家がサブプライム危機で空売りを仕掛け、大儲けをした話です。ただ彼はショートポジションを持つために多額の手数料を支払う必要があり、破産しかけていたという点が大事です。

wikipediaマネー・ショート

インバースETFはどうか?

株式市場は下がることを見越しているのであれば、インバース(ベア)ETFか投資信託を買うのもアリなのだと思います。値下がりしても、ゼロになることはないです。
私も今年の含み益を利確しつつ、少しずつインバースETFのポジションを持とうと考えています。

なおレバレッジを掛けるかという点ですが、ポートフォリオの一部であれば影響は少ないので、私自身はアリと考えています。

今回はここまで。次回またよろしくお願いします。


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