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【KY26】さくらインターネットと次の仕手株

私はあまり仕手株は得意ではありません。
そのような銘柄を中心に売買される、プロ投資家とは違います。

今回はヘタクソなりに、どうすれば程よくリターンを取るのかという、お話をしようと思います。

さくらインターネット(3778)

仕手株には旬の時期がある

仕手株(してかぶ)とは、短期的利益を目的に投棄的に取引され、乱高下する銘柄です。このような売買には本尊といわれる、一部の投資家や投資グループ(仕手)がいます。

このような仕手株というのは、暴落相場では少ないです。
なぜなら、株式市場が活況だと投棄目的の資金が流入しやすいですし、仕手側も資金のやり繰りが容易だからです。反対に下落相場だと、お金が集まりにくいからです。

今回のさくらインターネットは、日経の上昇相場で高騰化しましたし、メジャーSQ前後の日経の下落局面で大幅にS安となりました。

業績だけでなく、市場に大きく左右されます。

仕手株になるかの予測と買い時

仕手株になるためには、本尊の仕込みが必要になります。
仕込みがないと暴騰しません。

四季報オンラインから

どういうことでしょうか?
ポイントは、本尊は売りと買いを交互に繰り返すことで、一般投資家の関心を惹きつけるということです。

先ず株価が低い時に、しっかりと買い込むわけですが、一気にやると株価が上がるので、適度に売りを入れて株価を下げ、一定期間レンジ相場にして、株を集めます。
その証左として、レンジ相場は出来高が大幅に増えます。またレンジ相場は、長くて3ヶ月ほどになることもあります。

そして株価を吊り上げるには、一般投資家が買っているときに、売りと買いを両建てで行い、相場を盛り上げます。
買い上がるには買いだけでなく、ある程度売りがないと、勢いがつかないので、本尊が売りに回ります。
しかしながら売り玉を残すので、株価が上がると損失になります。そこでなるべく株価が低い時に、ある程度買いのポジションを立てる必要があるということです。

つまり、このレンジ相場の期間がないと、仕手株になりにくいです。
したがって、個人投資家が集めるならこの時期がもっともリスクが低くチャンスです。

なお私はこれ以外のタイミングでは買いませんし、買ったとしても資産の10%までしか、仕手株を扱いません。ギャンブルだと思っているからです。

なぜ底で仕込み、押し目で拾わないのか

個人投資家にとって株の需給を読むことは、ハードルが高いと思います。
東証や日証金から個人投資家の信用取引の情報は公開されているのに対し、ヘッジファンドなど機関投資家の空売りは、ほとんど分からないからです。

したがって、踏み上げ相場になるかの予測は難しいです。

分からないなら、私はなるべくリスクを取りません。株価の上昇局面では一切買わず、底値で拾うようにしています。

では、いつ売るべきでしょうか?

長い上ヒゲ陰線、大陰線はトレンド転換

ローソク足が長い上ヒゲ陰線、大陰線をつけると、本尊が一気に売り抜けしているといわれます。

ただそれが分かった時には、自分の持ち株を処分するには遅すぎるのです。チャートは過去を表すだけで、その先は推論ですから、あまり当てにはなりません。

また本尊の考え次第で、自分のポジションが決められるので、私はチャートや需給で売り時を決めません。

同じような理由で、私はX(旧Twitter)で有名なトンピンさんの銘柄は買いません。

メジャーSQで暴落を予測できるか

SQ(特別清算指数)でさくらインターネットの暴落を予測できた人は、どれくらいいたのか、正直分からないです。
ちなみに日経の現物と先物は裁定取引(アービトラージ)で調整されるのですが、SQ前に買い残が溜まっていたみたいですね。それがSQ前に利確をしたとのことです。

個人投資家は、そのようなところまでフォローしないですよね。
ちなみに裁定取引残高は空売りネットなどで確認できます。

やはり売却のタイミングを、市場のシグナルで判断するのは難しいと思います。

ファンダメンタルから株価の上限を推測する

私はなるべく安値で仕入れたいので、買う時点の自分が考える企業のバリュエーションと、市場のバリュエーションの差が大きい時に買います。

ただ仕手株の場合は、買う時点のバリュエーションではなく、市場参加者が考える時点のバリュエーションを参考にします。
具体的には、目安として5年先です。それ以上だと、マーケットは織り込まないと思います。

この価格を売り時の目安とします。

例えばさくらインターネットの場合、
通期予想売上高(216億円)が5年後(1,500億円)
その時の当期純利益(300億円)
5年後のPER(株価収益率)はさらなる成長性を考慮せず、市場平均の15倍とする

5年後の時価総額4,500億円(300億円*15倍)
これを株式益回りの市場平均(1+PERの逆数≒1.06)で現在価値に割引く

現時点の時価総額は約3,400億円
そこから市場参加者の期待の強弱や、不確定要因などのリスクを割り引いて、例えば6-8掛けぐらいすれば良いと思います。

どうしてこのような計算をするかというと、本尊のヘッジファンドなどの大口は必ず目安を持っているので、それをフェルミ推定から推測するということです。
おおよその範囲で収まっていれば十分で、どの価格ぐらいが市場参加者の期待値か判断できれば十分です。

ちなみに時価総額は、2,728億円(3月1日)、3,333億円(3月4日)でした。

私は、この時価総額に達する前に、さっさと売ります。そこまで引っ張れたら、他の銘柄に投資する方が効率がいいからです。

不確実なネタほど仕手化しやすい

ところで市場が活況な場合、グロースは赤字企業でも評価されます。
同じ売上規模の企業であれば、黒字企業より赤字企業の方が、時価総額は高くなりがちです。
株価はEPS(一株当たりの利益)とPERで決まるので、マイナスだとより精査に判断すべきだと思うのですが、市場はそうではないということです。

何が言いたいかというと、成長曲線が不明確なほど株価は吊り上げやすく、仕手化しやすいということです。
さくらインターネットの場合、ほとんどの識者にとってガバメント・クラウドの要件を満たせるか、不明確でした。また競合はメガテックのGoogleやAWSと圧倒的な企業ばかりで、それに日本企業が挑むのはロマンです。その上に旬なNVDAネタが乗っかかりました。
不確実な情報ばかりのネタがネタを呼び、憶測が憶測を生む、期待が期待を呼ぶ状況でした。

関係者から情報を集める

私は知り合いに、さくらインターネットに勤めている人がいたので、ガバメント・クラウドについて、ちょっと話を振りました。
その方の意見では、実態が伴わない内容だと言っていました。

なお関係者にインサイダー情報を聞くのはNG行為ですが、世間話ぐらいなら積極的にした方がいいと思います。私は名刺交換する上場企業の社員さんと、世間話をしています。大まかな業績の先行きなど、意外と簡単に教えてくれます。

ちなみに私は、某自民党の国会議員と酒食をすることがあったのですが、翌週には政府報道される内容をベラベラお話されていました。その時、2銘柄ほど買っていれば、30-40%ぐらいリターンがあったと思います(笑)

世の中そんなもんです。
もし仕手株を触るのでしたら、このような情報を仕入れることで、個人投資家でも十分にアドバンテージを取れます。

以上を参考に、次の仕手株について考えてみました。

ソースネクスト(4344)

企業の概要

話題のポケトークの親会社です。
25年にポケトークの上場を、時価総額1,000億円で目指しています。
ポケトークは販売台数100万台を超えており、米国での売上は約9.3億円($1=¥150)となっています。
セグメント別売上高では、ポケトークは24億円でした。

昨年実施した資金調達ラウンドの評価額は、237億円とのことでした。
2027年の目標は、売上高500億円、純利益75億円とのことです。

ソースネクストの通期予想売上高(116億円)
当期純利益(▲19億円)
セグメント情報ではPC売上が不振みたいですね。

財務状況は自己資本比率44.1%
悪くはないと思います。

想定時価総額

ポケトークは、NASDAQ上場を目指していたのですが延期し、みずほ証券が主幹事で東証に25年に上場する予定です。今は直前期になるのでしょうか、みずほ証券ですし、問題なくIPOすると思います。

なお1,000億円の時価総額がつくのか、気になるところです。
私は根拠のある金額だと考えています。
なぜかというと、IPO時の公募価格は主幹事のみずほ証券が、他の投資家の意見などを参考に、仮条件の価格を決めることができるからです。

つまり主幹事の証券会社のプレスリリースを素直に読み解くと、1,000億円のIPOに向けて順調に進んでいるということです。

そしてソースネクストはポケトークを出資比率で84%持っているので、他の事業と合わせると1,000億円の時価総額と評価していいと思います。

ただ私が気になるのは、そこだけではないのです。
ポケトークの上場に当たって、出資比率を50%以下にするとのことです。

となると、公募・売り出しの他にソースネクストは、オーバーアロットメントによる売却もあると思います。
つまり、ポケトークのIPOでソースネクストは資金調達をし、新規事業を考えていると想定できます。

何をするのかは分かりませんが、おもしろいネタが降ってくる可能性はあります。
またポケトークに1,000億円以上の価値が出るような、さらなるネタが降ってくる可能性もあります。
この不確実性が仕手株の条件です。

ポケトークを触ったことがない人でも、存在自体は知っている、いい塩梅ですね。

まあ今の株価から2-3倍程度を見て、少しずつ利確すれば良いと思います。


ソースネクストは買いか?
答え:おもしろそうなので、ちょっと買いました。今がレンジ相場なので、仕込むなら今がリスクが低いです。
なお仕手株狙いなので、お勧めしません(笑)


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