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桃から産まれたはずなのに

ショートショートです。ショートショートだけども今回はめっちゃ俺の世界観を出しています。こういう謎の物を書く事があります。

昔々あるところに
おじいさんとおばあさんが住んでいました

おじいさんは山にしばかれに
SMクラブがあったんですね
婆には内緒です。

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おばあさんは川に洗濯にいきました
おばあさんが川で洗濯をしていると
上流から大きな桃が
どんぶらこどんぶらこと流れてきました

食い意地のはる婆は
その大きさに警戒することはなく
かといって桃を救い上げるのが
無理だと判断したので
串刺しにして引き寄せました。

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「じいさんや じいさんや」

「なんだい婆さん・・
 わしは今尻が痛いのだが」

それはしばかれた後だったからです

「それよりみてくれりょこの桃」
「おおこれは大きな桃じゃのう」

そう言ったものの婆さんは桃は切らずに
爺も婆も見るだけにとどめ置き

婆は大根に小豆をまぶし
ハチミツと砂糖とワカメを混ぜ入れ
創作料理をつくりました

すると桃が勝手に割れて
中から元気な男の子が生まれました

「こりゃぁたまげたなぁ
 婆さん、桃から赤ちゃんができたぞい」

「ほんまやねー」

「桃から産まれたから桃太郎と名付けよう」
「爺さんや、それは違う 
 大根に小豆をまぶしてワカメを乗せて
 ハチミツと砂糖をまぶしたから
 産まれて来たのだよ」

「そ・・そういうもんかねーーー!」
「だからこの子の名前は
 ”大根小豆にワカメとハチミツ砂糖”
 にしよう」

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「しかし婆さんや、最後が砂糖だと
 なんか苗字っぽくないかね?」


「爺、気にするな」

「そっそういうもんかねー」

実は子供が欲しかった
おじいさんとおばあさんは
子供をさずかり大喜び

とても大切に育てました

その子は男の子でみるみる成長し
歳の頃で12歳になると言い出しました

「おっとーおっかー
 オラ鬼ヶ島に鬼退治に行きたいだー」

「まぁなんと
 ”大根小豆にワカメとハチミツ砂糖”や
 鬼はとても怖くて強い存在だぞや
 やめておきなさい」

「おっかー、オラどうしても
 鬼を倒しにいきたのだ」

いくらなだめても
”大根小豆にワカメとハチミツ砂糖”は
言う事をききません。

「そこまでいうなら
 ”大根小豆にワカメとハチミツ砂糖”や、
 もう止めはしまい。
 しかし無理はするでないぞ」

「ありがとう。おっかー」

おばあさんは
”大根小豆にワカメとハチミツ砂糖”に
沢山の黍団子を持たせてやりました。

鬼ヶ島と言ってもすぐ近くに
あるわけではありません。
いくつもの山を越えていかねばなりません

その道中で
”大根小豆にワカメとハチミツ砂糖”は
犬に呼び止められました

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