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きゃらをの世界

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過去に書いたショートショートです。当時は1500円とか 結構イイ値段でだしました。 全部まとめました。
シュールな笑が欲しい人には向いているかと思います。
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#エッセイ

多様性の壁

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ギリギリ天国

俺は今天国で暮らしている 生前は悪いこともしたけども 良いこともそれなりにした 差し引きしたらギリギリ天国 天国といってもキリスト様のような 聖人が暮らす上流特区もあれば 俺のようにギリギリな人間はそう ギリ天と呼ばれるスラム街で暮らしている。 ギリ天は善良な事に飽きた聖人達が 時々降りてきて 退屈しのぎで無理難題をふっかけ それを拒もうものなら 容赦なく叩きのめされるための場所だ この間も犬の糞のついたモーゼ様の靴を 跪いて舐めさせられたり ガンジー様にバッドで殴られ

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侵入者

俺はこれ泥棒を生業にしていて 結構な屋敷というか まぁ言ってしまえばキャッスルかな 忍び込んだんだよね だけど不気味なんだよな 何か視られているような感覚 とっととお宝ゲットしてズラかろう なんかでも奇妙な歌声が聞こえてくるな カーイカイカイッ カーイカイカイッ 誰かがどこか痒いのだろうか? そういえばこの時期蒸し暑くて 蚊も多いからな 俺もなんか背中を刺されているみたいだ ちょっと背中が痒い 意識すると物凄く痒いよ 仕方ないので少し壁の角で 背中を擦りあてていた

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奉仕の気持ち

僕の名前はキャラパンマン 今日も町をパトロール どこかでもしお腹を空かせている人がいたら 僕を食べてもらえばいい 僕の頭はアンパンでできている それを色々なキャラクターで形作っている感じ ふいにどこかで助けを求める声が聞こえた 丘を越えた向こうの山林の中だ 「誰かいるのかーい」 「こまっているのかーい」 「・・・ここだよ」 声が聞こえた方に行くとカバが倒れていた 「どうしたんだい?」 「珍しい蝶々をおいかけてきたら  迷子になって帰れなくなって  もう何も食べてな

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トランペットと我が人生

1900年代前半 俺はアメリカで生まれた うちの家系は貧しかった 何をしても貧乏な両親に 子供ながらに荒んでいた たまたまそこに楽器屋があったんだ 意識したわけではないのだけど ショーウィンドウ越しにキラキラしている 楽器が眩しかったので魅入っていた その程度の感覚 欲しいとかそういうことでもなく なんとなく食い入るように見ていたら お店の店主が出て来た 「てめぇこのクソガキ!盗みにきたかぁ」 滅茶苦茶怒られた ただ眺めていただけだ それに俺は楽器は弾く事はできないし

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才能

久しぶりにショートショートを書きました 宜しくお願いします。 大学を出るとき 就職活動を大してしなかったから 電話営業1本の営業会社に就職したんだ いつ話を聞いて貰えるのか解らない電話 毎日兵隊のようにただ電話をかける ヒットすることはなかなかない そんな中で電話をかけながら 何気なく手にはボールペンを 持っているので、メモ紙に イラストを描いてなぞっていく そんな日々が続いた 大学生の時は活き活きとしていたのに 社会の歯車になったとたんに なんか全ての景色が色あせて

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AI田中

それまではずっと普通の 会社でサラリーマンをしていたのに 急に水道屋として独立する そんな意味不明な転職があるならば それは俺だろう 俺が転職したときには 世の中は既に人工知能が人間の思考と 同等のレベルまで到達しており 人権まで取得している状態だった 水道屋で現場に出るので車が必要だし 予算は無いのだけど、最初だし 長く使いたいので新車の軽自動車を買った 正直に言うと車なんてほとんど知らないから 中古車を買っても1か月しか保証してくれない それなら新車を買おうという気

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北風と太陽とetc.

俺は太陽 今、非常に鬱陶しい状態にある それは北風のやつが話しかけてくるからだ 「なー太陽。俺と勝負をしないか?」 こいつは結構な頻度で勝負を申し込んでくる その都度コテンパンにするのだが だからなのか、なんとか俺を倒そうと躍起だ しかも負けているのに呼び捨てとか まぁあまりそういうところを 細かく言うと器量の無い奴に思われるし そこは言わないけど無礼な奴だ 「勝負ってなにをするの?」 「あそこに旅人いるだろう?」 「あーいるね」 「あの旅人の服を脱がしたら勝ちっての

ワイルド推し

俺の名はきゃらを 流行り病を機にSNSに参加した それはブログ形式で 少しだけ読んでくれる人がいたから 図に乗ったんだ。 そして公言してしまった 「作家になる!!」ってね そうしたら、そのサイトは応援してくれて お小遣いをサポートしてくれるサイトでもあり 少しはお小遣い貰えたから 引くに引けなくなってしまったんだ。 本当は本業の方の仕事が 上手くいけばそっちでのんびり暮らしたい だけども・・・ 「作家頑張ってくださいね!」 その言葉をサポートしてもらえた コメントで貰うた

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