リトル・フォレストと代掻き

2020年8月12日

リトル・フォレストありがとうございました。一巻の出だしには、なんとグミの話しから始まっていました。村の子どもたちにとって、あの時代は、里山の恵み全部が腹の足しにしていました。グミもクワの実も、青い梅も、スイバの茎も。チガヤの穂はガムがわりでした。そこは書かずに、火に関する経験を書き出して置くことにします。

火に関する記憶・順不同

苗代の苗も大きくなり、乾燥していた冬田は耕され水が入り、兄と牛と私で代掻き(土を細かく砕いてかき混ぜ、田んぼの表面を平らにする作業)を始める。その翌日から田植えが始まるのだ。手伝いの近隣の方々と大勢で、早朝から苗取りが始められる。

朝食の準備をしているおふくろが、大きな声で(どこにいるかわからない私に)「そろそろ火を焚いておけ」「手伝いの人が冷え切って帰って来ゾ」と叫ぶのである。木小屋に積んであるわが家流の薪(説明が長くなる)を庭に出し、火種を作って、苗代からの帰ってくる姿を確認すると、火種に大量の薪を加えるのだ、火柱が怖いほどに燃え上がらせるのである。火の回りで苗取りの方々が濡れたまま朝食をとるのである。その間火を焚き続ける私がそこにいたのである。

「ありがとうネ・すっかり乾いたよ」と、大人が子どもの私に礼を言うのである。そして、田植えでかけていった。私と兄も大忙しである。田植えの方が、どんどん代掻きを終えた田んぼに苗を植え付け迫ってくる。それに負けないように、兄と牛と私は代掻きを頑張ったのである。(代掻きと生き物の話しは後日)今日はこれまでだ。

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