薪を焚く

2021年3月27日

先日に友人が一冊の本を贈ってくださいました。「薪を焚く」という本でした。私の薪割り生活を良くご存じの方が書店で見つけた本です。読んでみると、北欧の極寒の冬を、薪で暮らすための薪作りが書かれていました。

私も薪ストーブを始めて20年は過ぎました。この間経験してきたことのポイントが、この本にいろいろと書かれていました。良い薪を作り出すと、煙突からは目立つ煙は出なくなることも書かれていました。

我が家で薪ストーブを始めてから数年間は、10日に一度は煙突掃除必要でした。煙突掃除をさぼると、薪の燃えが悪く、煙突からは白い煙がもくもくと出ました。内径10㎝の煙突に煤が付き、内径5㎝位になってしまうのです。

今ではいろいろな広葉樹を良質な薪にすることが出来ているのか、煙突に煤がたまりません。時々懐中電灯で、煙突の内部を見てみていますが、煤がついていないのです。良質な薪とはよく乾燥している薪の事です。

過去に思い知らされたことがありました。直径10位の枝は、薪ストーブに簡単にくべることができるので、面倒くさい割る作業をさぼった事です。薪ストーブの中を観察していると、割らない薪からは、水分が泡になって吹き出てくるのです。木の内部の水分を乾燥から守るための樹皮の凄さを知りました。割って乾燥させるのが基本です。我が家では、乾燥が早まる割った薪でも、薪棚に2年間積み置き、3年目で燃やすように努力を重ねています。直径10㎝以下の、割ることのない丸棒の様な薪も、たたけば木琴の様な澄んだ音が出るまで2~3年間積み置きしています。

「薪割り技術」の章では、私の薪割り体験教室で、参加者の方々に何度も伝えてきたことが書かれていました。それは、鉞を振り落とすときに、膝と腰も鉞と一緒に落とすことで、鉞が足を直撃することを防げるからです。さらに面白かったことは、薪人は、その思いをあまり言葉にはせず、割るとか積むとかに強いこだわりを持って表現されていると書かれていました。そうだそうだ、です。

一週間前にカシの木の生木を、軽トラックに3台分もらい受けてきました。
樹齢40年位で、家の近くで大きく育ち、2階の屋根に覆いかぶさり始めたので伐採されたようです。乾燥した硬いカシの木を割るより、水分が多く繊維も柔らかい生木のうちに割ったほうが良いので、ガンバって割りました。直径30㎝長さ40㎝に玉切りしたものを、地表と同じたかさに埋めた薪割り台に乗せて、我が家で一番重い鉞の重さにスピードを加えて、目標点に鉞を打ち下ろしました。

「ボッ」と低く大きな音を出して割れていきました。

 昨年の11月から使い始めた薪は、どんどん燃え尽きて薪棚に薪が無い状態が続いています。三年後の暖かい薪ストーブを楽しみに、今日も薪作りをします。一日中薪割り作業で、割って積んだ薪棚を見るのは、とても充実感に満たされていましたが、76歳になった薪割り爺さんは、体をいたわりながら少しづつ薪を割ることにしています。

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