真夏の川キャンプ

 多摩川上流の奥秋テント村に、11年ぶりにテントを張りました。静かなテント場です。ソロキャンプの方がたが、静かに小さな焚き火を楽しんでいました。
その中の一人の方に声をかけ、焚き火の方法を伺ってみました。焚き火台は私たちも持参しましたが、その方の焚き火台は、シートの上に乗せてあったからです。「すごいな~」と思いました。その理由は、土の上に直接火を焚くことは、土の中の微生物や森を作る植物の種子などを、焼き殺してしまうからです。豊かな土の中には、大量の微生物が土作りをしているようです。自然を大切にする考え方から焚き火台が発達したものと思っています。その方は、燃えないシートを土の上に敷いて、土にダメージ与えないことと、安全のためのシートだったのです。焚き火台では「炎が出ない炭を使っています」と言ってくれました。私たちは焚き火台の他に、練炭コンロと練炭を持っていきました。練炭は一酸化中毒の危険性が高いので、テントの外で風が流れ去る場所に置きました。マッチで練炭に火をつけ、空気を調整しながら、12時間も連続で利用することができました。

 11年前の川遊びは、深い淵に岩から飛び込みでした。その淵は押し流されてきた川石で狭くなり、その分流れの勢いが強くなり岩にぶち当たっていました。
その勢いよく渦を巻いている深い場所に、ミミズを付けた釣針を投げ入れてみました。もしかしたら淵の主が釣れるかもと、想像をしながらです。きました。赤い玉ウキが、渦の流れに逆らって水中に引き込まれたのです。竿をビシッと引きに合わせてから、ゆっくりと釣り糸を張り続けました。針にかかった魚が渦の流れに乗ってこちら側の岸に向かってきました。そのスピードに合わせ、水中から魚を抜き出すように、陸地へ放り上げました。ヤマメです。結構大きかったです。膨らんでいた腹部を押してみると硬さを感じました。渓流のイワナやヤマメは、増水した激流に流されないように、石を飲み込み体を重くすると言う話をよく聞かされてきました。テント村で一緒になった子どもたちの目の前で、ヤマメの胃袋を切り裂いてみました。出てきたのは、セミ2匹と黒い色をした甲虫が数匹でした。驚きました。セミにも驚いたのですが、これほど胃の中に食べものが詰まっているのに、さらに釣針のミミズに食らいつくことにも驚きでした。セミの種類は、透明のはねと背の模様とテント場で鳴いていたミンミンゼミと思ったのですが、背のWの模様がはっきりと残っていたことから、コエゾゼミかエゾゼミと思われました。


 二日目の早朝の川はひどく濁っていました。上流の方でかなりの雨が降ったものと考えられます。10~20㎝の増水跡が河原や岸辺の岩で確認できました。
前日に釣れるであろうポイントも濁り水が渦を巻いていました。その渦の周辺で流れが留まる場所にヤマメが休みながらエサを待っているのではと、昨日と同じくミミズを付けた釣針を落としました。写真を撮りながらヤマメとウグイを一匹づつ釣りました。同時に山の「よあけ」です。薪割り爺さんの大好きな絵本は、孫と爺さんのキャンプで「よあけ」と言う絵本です。山の夜明けを写す間に、釣竿が流されないように、足で押さえながら写しました。その写真を楽しんでもらえたら嬉しいです。
  

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