チェーンソーと安全を学ぶ

2020年9月2日

この借家のリフォームを始める時に、「お化け屋敷」でも始めるのかと言われた。それぐらい荒れていた。垣根のヒバの木は伸び広がり放題だった。手間暇かけて行うためにチェーンソーは準備せず鋸を一丁買って始めたのである。

鋸で垣根は整理がつき、薪切りを始めた。それを見ていた方が、古くて使わない、修理もしていないチェーンソーがあるから、使わないかと言われ、もらって使い始めた。やはりエンジンがかからない。チェーンソーは初めてだが、オートバイのエンジン(ツーストローク)は良く知っていたので、プラグ・キャブとフルター・スロー調整などをやり使い始めた。

だが鋸の目立てはできるが、チップソーの研磨は経験がない。そこで物を良く見て考えるという観察思考が始まるのである。これが何事に当てはめても面白く楽しいのである。一度で簡単に上手にいかないのも、これまた楽しいのである。自分の観察思考が、その物事に至らなかった悔しさと、次への思考が楽しいのである。そうして数年使い続けたのである。

この間、チェーンソーについての基礎は身についたように思い、新しいチェーンソーを購入したのである。周囲のベテランさんが、いろいろと経験談を交えて、チェーンソーの調整の仕方を教えてくれるのであった。確かにその通りとお話を聞くのであった。が、自分のチェーンソーと使用目的について、観察思考をしてみると、その調整方法にこだわる必要性は、まったくないことに気づくのであった。大切なことは、我が家の薪集めをどのように進めるかであるのと、安全確保に対して、面倒くさがらないことである。

安全について:

安全用具(防護服)を身に着ける。薪集めの現場や樹種がその都度違うので、現場で危険をイメージし、その対処法を具体的に考え、もう一度これで良いのかを考えながら確認する。

事例:山の地主さんから台風で木が倒れたので、薪にして良いと言われて現場に行った。斜面の下に向かって倒れている木。横に倒れている木。木は枝ごと倒れ、幹が空中で横になっている。幹の太さが20~50㎝のコナラが折り重なるように倒れていたのである。まずスパイク付きの作業長靴をはいた。山の斜面で片足加重になった瞬間、絶対滑らないためである。そして作業は、幹から枝を切り離すことから始めるのであるが、倒れた幹や枝が見えない力関係で横たわっていることに、危険が潜んでいるのである。幹が斜面を転がることを想定し、斜面の下からの作業は絶対にしない。それらをひっくるめて、作業の順番や立つ位置や搬出も考えるのである。

このような学びは「経験学」と言ってよいでしょう。「観察力」・「想像力」・「思考力」・「体力」が求められるのである。いつも思うのである。知識は確かに大切で必要だ。さらに必要なことは、それらの知識と目の前の状況をブレンドする力なのである。自然を相手に何かを行う場合に、知識がそのまま当てはまる事もあるだろうが、そうでない場合に事故となるのである。「こうであるべき」の過信は危険なのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?