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第16弾 求人レポート【新型コロナウイルス】求人広告影響調査

方正株式会社では、【客ココ便利くん】https://www.founder.co.jp/sfaという求人広告代理店様向けのサービスを展開している。その「客ココ便利くん」を用いて、フロムエー、マイナビ、タウンワーク・バイトルに掲載されている求人情報を元にいくつかのグラフを作成してみた。

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過去半年間見てきた2つのグラフのトレンドはすっかり固定化してしまった。日本の求人件数は「L字回復中」ではなく、「L字停滞中」と表現せざるを得ない。株価はV字・企業業績はU字と言っていたころは、心の中では求人は✔マークを期待していたが、そこまで甘くないようだ。

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毎週掲載していた職種別の求人件数だが、今週は幾つかに絞って良く見てみよう。
全体感としては、L字停滞中だが、職種毎のバラつきが相当はっきりしてきている。ウィズコロナ時代のデリバリー対応、ECへの取り組み等の対応が進んでいるとは言っても、やはりリアル店舗中心の飲食・接客・販売系は半数で固定化しているのに対し、運輸系は徐々に回復傾向だ。崩壊の危機といわれる医療系は慢性的な人出不足の様子が感じ取れる。全体件数の中で各職種シェアはどうなっているのか調べて見ることにした。それが、次の連続円グラフだ。一番内側が3月の求人で最外縁が10月になっている。「販売・接客」や「飲食・フード」はかなり大きな割合を占めているが、よく見ると10月に向けてかなりシェアを落としている。「ドライバー・配送・軽作業」などは少しシェアを伸ばし、「製造・組立・建設」や「医療・看護・介護」は3月に比べて10月では明らかに存在感を増している。シェアは小さいが「営業」「IT・Web」も割合を増やしている。全体のパイが細る中、シェアを落とす求人の多くは専門性がやや低く外国人就労者も多い職種でもある。シェアを伸ばす職種へとジョブローテーションが進めば良さそうだが、課題も多そうだ。

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最後に、時給の推移についてみてみよう。先に挙げたシェアに変動があるような業種でも、時給に大きな変化は無さそうだ。微妙に漸減しているともいえるが、いずれにせよ大幅な下落は無い。ここで挙げた職種の中で例外的に大きく変動しているのが「営業」職だ。やや下降局面ではあるが、春先から一貫して時給単価は上昇傾向に見える。ウィズコロナ時代に「外に出ていく必要のある」営業職の価値が高まっているのか、或いは、オンライン営業・リモート営業といった新しい営業スタイルに転換するため、より付加価値の高い人材への欲求の表れなのか、答えは分からない。
Webで少し調べて見ると不況下でも転職に強い職種の一つが「営業」職であるという主張がある。これは、コミュニケーションスキルや交渉・調整スキルに長けた営業担当者はどんな職業についても成功しやすいということらしい。詳細は下記の元記事を参照頂きたい。
(コロナ不況でも転職強者になれる「汎用スキル」とは? https://www.businessinsider.jp/post-218580)

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日本では7年超の安部長期政権から菅首相へとバトンタッチがあった、11月3日にはアメリカ大統領選挙が実施される。コロナウィルスの特効薬も見つからず、ワクチンも期待感だけが先行している。流動的な世の中で雇用情勢が大きく改善する気配はない。だが、今が底だと考えれば、ここからは上昇しかない。陽はまた昇る、明けない夜はない。期待感をもって、これからも求人件数の動向を中心にみていくことしたい。

方正株式会社 津村
2020.10.19

資料作成にあたり参照したHPは以下の通りです。
タウンワークhttps://townwork.net
マイナビhttps://baito.mynavi.jp/
フロムエー https://www.froma.com/
バイトル https://www.baitoru.com/

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