特殊能力

職場でこの間、同僚の女性に

「あの……〇〇君って彼女いるんですかね?実は彼にぜひ紹介したい女の子がいるんです。彼は真面目そうだしぜひいいかな!って」

と言われた。

「残念ながら彼は今は募集していないみたいだよ。(本当)ちゃんとお相手いるんじゃないかな」

そう答えると、

「残念、そうなんですか……彼ならまだ20代なのでぜひどうかな?って思ったんです……」

というので、

「42に今年なる男は?ここにいますが! どうでしょうか?」

と言ってみた。もちろん冗談である。しかしその言葉を聞くや否や、彼女は

「うわ!キモ!!」

と言われてしまった。冗談ぽい顔で言われたのが救いだが、それにしても「キモ!」とはなんだ。泣きそうだ。しかしながらせめて自分にも何かセールスポイントとか特殊能力とかはないものだろうか。考えてみた。

特殊能力と書けばあたかも超科学的なモノのように聞こえるが、要は特技だ。こんな自分でもいくつか持っている。

まず、「ちょっとだけショートスリーパー」。毎日だいたい五時間寝れば大丈夫、というどうしようもない特技だ。1時ごろに眠りについて6時起き。あまりの微妙さに自慢ができない。役に立たない。

もうひとつが、「(あ、こいつら実は付き合ってんだろな)」てすぐ気づく能力。ふとした視線と過去の言葉を頭の中で瞬時に組み立てて、抜群の洞察力で的中させまくってきたが、当てたところで気持ち悪がられるので、たいてい気づかないフリをしている。まったく役に立たない。

さらにもうひとつ、サッカーの試合中継で次にボールが行く箇所が読める事だ。しかしながら瞬時にどの選手か選手名が分からないので、「左上!」「次に真ん中」等、目のリハビリをしているやべえやつにしか見えない。従ってこれも役に立たない。

さらに、万引きするやつが分かるという力。これは昔マネージャーをしていた経験からくるものだが、入店してきた時点でたいていわかる。しかしながら私人逮捕したところで店側もひくだろう。役に立たない。

という事で持ってる特殊能力というか、特技。どれも役にたちそうもないし、履歴書にも書けない。ホントはまだまだあるのだが、もう下品な分野になってしまうのでここには書かないでおこう。また「キモ!」とか言われるに決まっている。

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