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嵐を失って健康を取り戻した話③

松本潤に操を立てるため、「ボス恋」の初回放送をスルーした私だったが、すっかり玉森さんのことは頭から離れ、ただただ熱いオタク感情を持て余す日々を過ごしていた。

実はこの時、正月ドラマの「教場Ⅱ」を観て、目黒蓮の沼の入り口に立っていた。オタク仲間の一人が古のSnowManのオタクをやっており、何度も何度もプレゼンを受けていた。それもあり彼らのYouTubeも楽しく観ていたのだが、嵐のいない日々を、持て余す気持ちをどうにかぶつける先を見つけねばならない焦燥感の中、教場がダメ押しとなって、SnowManのFCに入会するに至っていた。

そんなある日、Paraviで「それSnowManにやらせてください」を再生した折、ふと目に留まった「ボス恋」をうっかり再生してしまったのだ。本当に「魔が差した」としか言いようがない。

ーーーーあ、これダメだ…。
アラフォーのBBAが気持ち悪いことを言う、と自覚したうえでつぶやくが、潤之介くんに一目ぼれしてしまった。
ゆるふわながら、奈未ちゃんのピンチには全力で助けにきてくれる。
きゅんセリフを吐いたかと思えば、思わせぶりな態度で振り回す。
その裏には大会社の御曹司という自らのアイデンティティへの葛藤があったり、なにやらただのゆるふわ男子ではなさそう。

あーこれこれ。
王道のきゅんドラマ。
体に染み渡るきゅん成分が心地よい。
登場人物みんながどこか優しい、悪い人が出てこないストーリー展開も心安く観られてとってもよい。
いいね、ボス恋。

そう、ここまではあくまでドラマとしての「ボス恋」を楽しむというスタンスでいた。

そんな私のスタンスに大きな変革が起きたのは1月26日に放送された第3話だった。
第2話のラストで、
「俺のこと好き?」
と最大級に思わせぶりなセリフを吐いて、自らの個展の招待状を奈未ちゃんに手渡したのだけど、実はそこにさして深い意味はない、という何とも罪な男・潤之介なのだけども。
3話のラスト、自分の作品をただ一人の宝来潤之介として評価してくれる奈未ちゃんに「どうしよう」と音を立てて恋に落ちていく潤之介くん。
そんな彼を前に、私もテレビの前で声に出してしまったのだ。

「どうしよう」、と。

そうなのだ。
なぜだかわからない。
ビジュアル、スタイルのよさ、声、それまでにも感じていた玉森裕太さんそのものに潤之介くんの成分が加わった化学反応によって、私はものすごくわかりやすく、宝来潤之介を通じて玉森裕太沼の淵に立ってしまったのだ。
そしてその沼の淵からのぞき込む先は、えらく深そうに思えた。

折しも雪舞う素敵なシーンのバックにかかっている「Luv Bias」の歌詞にこうある。

どうして好きになるのかも
よくわからないのが恋心

Kis-My-Ft2「Luv Bias」

こうして私は、ボス恋の一視聴者としての立場から、玉森裕太を追う者へと変貌を遂げたのだった。

ごめんなさい、目黒くん。


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