第20回学生王座戦 自戦記(1)

みなさんお久しぶりです!第8代学生最強位の笠原悠暉です。

この書き出しでnoteを書くのは初めてですね。1年半以上noteを放置していたゆえに……。

最強位を獲って初めてのnote、本当は「学生最強位戦 感謝の自戦記」などのタイトルで書こうと思っていたのですが、昨年は過酷な受験勉強もあり書くことができず、気が付くうちに遠い昔の話になってしまいました。他の題材に関しても、大会で永遠に負け続けている状態では書くのがためらわれました。また、自分自身、あまりにも信じられない内容で負けすぎて囲碁に対するモチベーションが下がっていたというのも要因の一つです。

そこで、意識的に囲碁から距離を取り、「囲碁界の人間」という意識を捨て、純粋に囲碁を楽しもうと思い、(最強位戦の優勝によってご招待いただいた)この大会は自分の打ちたい手を打つということを心掛けようと思いました。するとあら不思議。碁の内容も比較的良く、それに伴い放置していたnoteのモチベーションが上がってくるではありませんか。しかも単細胞生物であるため、調子のいいことに自信も出てきて、「お?これ優勝するしかなくね?ってことは優勝記念自戦記とか書かなあかんなー?じゃあリアル本戦前に書いても変わらんか~」という気持ちになったので、「優勝記念自戦記」を「リアル本戦前に執筆して公開する」という暴挙に出ることにしました。これからえげつない相手に4連勝しないといけないこと分かってるのかなこの人

ということで、さっそく本題の方に入っていきたいと思います。今回は、学生王座戦のネット本戦2回戦の佐々木柊真さんとの碁について振り返っていきたいと思います。え?なんで初回なのに1回戦からじゃないんだって?

対局前

1戦目が終わった昼休憩の時間。1戦目にひどい内容の碁をなんとか拾わせていただき、安堵しつつもメンタルがボロボロになっていました。当日は、自分が(AI利用防止のための監視用の)カメラオンでの対局があまりにも嫌だということで、関西学生囲碁連盟の岡本会長に立ち会っていただいて対局することにしていて、岡本会長のお宅で打っていたのですが、外に出る気力もなく、ピザを注文して食べることになりました。それがとても美味しく、2戦目も頑張る気力が湧いてきました(単純)。岡本会長には、快適な対局環境を提供していただいて、感謝の言葉しかありません。

序盤戦 ~いつも通り迷宮入り~

このままだとテリヤキピザの食レポでこのnoteが終わってしまうことになるので、碁の内容も振り返ることにします。

碁の内容(善悪)について、「白が良い」などの表現を多用することになりますが、これらは全くAIで調べていない主観でしかないため、その点はご容赦ください。

2戦目の相手は佐々木柊真さん。プレイヤーとしても何度も全国大会で入賞されたことがあり、またYoutubeで囲碁配信をされているお方です。リンクはこちら↓

https://youtube.com/channel/UCNz_CKjnjEJgGCIrbnusPig



自分が小5の時に参加した少年少女囲碁大会で同時に入賞しているため、この舞台で初めて対戦することに感慨深いものがありました。今回は、碁を振り返る許可を快くいただきました。ありがとうございます。

僕の白番。相手の棋風も考慮した上で、「見たことありそうであまり実戦例はなさそう」な序盤戦からさっそく感性のみで仕掛けます。1,2はよく見かけるのに3以降は見たことがないので、あまりよくない手なのかもしれませんが、最初に言った通り、今回は打ちたい手を打つことをモットーにしているため、多少の善悪はあまり気にしないことにしました。

少し進んでこの局面。実戦はあまり考えず1路下に出たのですが、

下からひっくり返す手もあったのかもしれません。5と打てば右下の黒は死に残りです。しかしながら、6近辺に打たれた後の見通しが立たないため、実戦では選べないかなという気がします。そもそも上の白3子を助ける進行で白が打てるという感覚だったので、あくまでこの図は「検討用の図」ですね。

ほぼ一本道の進行のあとこの局面。非常に悩みました。

まず最初に考えたのはこの図。6で受けてくれるならこの図の方が良さそうに見えますが、6で先に外の白を攻撃されたり、そもそも4あたりで変化される可能性もあり少し見通しが立たないなと思い断念しました。

ということで実戦はしぶしぶ1にノビ。このあとはこういった図を想定していました。4と打たれて苦しそうに見えますが、中央の黒もそんなに強い形ではないため、ある程度右辺はサバけそうかなという感覚でした。とはいえ、白が左側で得たものがそう多くないため、対局の場面に戻れるのならば2線のアテを選びそうです。

実戦は黒が2のハイを打たず、白から2が先手で決まったため、両先手十目以上の得をできたため、はっきり白が打ちやすくなったと思います。

中盤戦 ~いつの間にか怪しく~

右辺白も無傷で生きを確保し、優位で迎えた中盤戦。

1で4の右に打って囲い合いでも勝てそうなのではないか?とは思いましたが、それで負けたら一生後悔しそうなので、自分らしく1から手をつけに行くことにします。黒の2は斜め下にブツカることも考えられ、時間を使われていました。
3のポジショニングはこんな感じでいいのかなと思います。黒6も出切りと悩むところ。正直に言うと、実戦の方が白としてはありがたいかなとは思いました。

ここから

こんな感じで調子に乗ってサバきましたが、地の損が激しいのでやらないほうがよかったのかもしれません。ただ単に11にカカえるのはちょっと打ちたくないような気がしてしまいました。

その後紆余曲折ありこのような盤面に。ずっと気分よく打っていたのに、気付けば白模様がだいぶ荒らされ、白良しとはお世辞にも言えない状況に。なんで?????

終盤戦 ~テリヤキピザのご加護~

ここから息詰まる終盤戦が見られる!と見られたあなた?甘いです。なんと終盤戦については局面図全カットという荒技を使います。
相手が秒読みだったり、コウ争いが続いたり、取り上げにくい要素が重なったので割愛させていただきます。最後は運が良く、なんとか良い筋を見つけて得をすることができ、勝つことができました。

終盤の様子や、全棋譜、また他の方、ブロックも含めた対戦表は以下↓のリンクにてご覧いただけます!



ということで、締まらない感じですが今回はこれぐらいで終わります(´•ᴗ•⸝⸝ก )


次回以降は、12月21日から行われるリアル本戦の振り返りを書こうと思います。ベスト16以上の対局というのもあり、他の勝ち抜きメンバーを見ても魑魅魍魎といった感じですが、自分のベストを尽くせるよう、精いっぱい頑張りたいと思います(´•ᴗ•⸝⸝ก )

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