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さりとて文字に価値があるわけでなし

1文字1円で、お金がもらえる。
読んでそのまま以上でも以下でもなければ、凡そ簡単な仕事でしょう。
あああああ、これで5円です。
もちろんライターのお仕事がそういうものばかりではないと知っています。が、あああああ(コピペした5文字です)でも5円だったとしたら?

書く側のバリューで価値が左右される職業だから仕方ないんじゃないかな、というのが感想です。ひと言が話題になるTwitterは言うに及ばず、著名人のポロっとこぼした言葉が圧倒的な勢いで拡散される一方で、どれだけ心血を注いでも世に出ない文章だってあるわけで。
思いがけず言葉のほうが本人を置き去りにして広まバズったとしても、一過性のお祭り騒ぎみたいなもの。

そこそこ読まれる、の平均値アベレージを担保するのはバリューです。

前時代的な引き合いに「新聞」なんて媒体があります。
いまも残るデイリーの定期刊行物が、ほぼ時代遅れだろうと未だ生き残っているのは、連綿と積み上げてきた歴史の重みです。
散々に叩かれても残っているのは、そうやって築き上げた信用があるから。

並ぶだけの信用を置けるウェブ媒体ってあるでしょうか?
これと思いつかないのは、私がものを知らないだけかもしれません。
でも、少なくとも私にとっては”名もなき”を前提にすれば、新聞記者というほうがウェブライターよりバリューがあると思えます。
等価と考えるには難しい差があるくらいには、です。
引用を読む限り、この1文字1円の値付けは「誰にでも書けるライティングに対して」のものらしく、いっそ相応とさえ思えてしまいます。

たとえばアーティストって、ひとりでもなれると思うんですね。
宣言すればいいので。
誰かに文句を言われる筋合いもありません。

ただ、芸術家として暮らすのであれば話は変わります。
認められなければならないし、そこにバリューが生まれます。

ライターも同じなんじゃないかな、と思うんですね。
それで暮らすのであれば、誰が書いても同じのを書いてるうちは認められてないのと同じ。どこそこのサイトで書けるようになれば、その運営の基準で1文字幾らとなるでしょうし、そこで高い安いというのは違う気もします。
安いなら、高いところで書けばいいので。
それを横に置いて「単価が安い」は、ちょっとおかしな気が。

ウェブだから、で軽んじられている部分も少なからずあるとして。
それでも少し理屈がおかしい気がしちゃいました。

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タイトル画像は「yonaka」様のものをお借りしました。
ありがとうございましたm(__)m