主に中国で事業展開する、香港系設備代理店W。設備保守技能にアドバンテージのある専門設備商社です。回路基板製造業界にコネクションを持ち、当社の加工機や検査機を販売してくれます。当社は日系設備メーカーですので、中国ローカルからすると高級設備に分類されます。それゆえに、顧客は日系や韓国系、台湾系などの中国内の海外資本企業が中心となります。海外企業への販売促進は設備メーカーである当社がマーケティングを担っているので、中国内の営業は難しくありません。代理店の営業営業担当は、価格交渉と販路調整が主な業務です。

代理店サービス
設備の納品の時点で、営業チームからサービスチームへバトンが渡されます。任務は、設備の設置、性能確認、生産適用の工程です。商品力が高ければ生産適用さえも順調に処理されることになります。当社と代理店間の取引条件はFOB(Free on Board=本船渡し)として、スムーズな取引を優先しています。しかし、代理店と顧客間の検収条件は、場合によっては設置では完了しません。数ヶ月の稼働後に支払いの大部分が実行されたり、生産適用に関する細かな要項が条件になる場合もあります。顧客有利な条件であることも多く、顧客のキャッシュ状況によっては、条件未達成を理由に支払いを遅延を主張されます。サービス代理店としては当社への支払いを終えている状態で、検収達成するとようやくキャッシュが発生することになります。検収で滞ると設備メーカーに支援や負担を求めることがよくあります。

新要望のキャッチアップ
サービス代理店と協業する上で、最も難しいのが要望のキャッチアップです。ユーザー工場内のIT
化や生産管理を支援する機能が要望されます。その多くは顧客から発信されるのですが、「ユーザーは自身の欲求を表現できない」とよく言われています。それゆえに代理店を通じてのヒアリングが重要です。要望の動機、改善したい課題、要望者の立場や部署、予算の見込みをヒアリングするとユーザー欲求の全容が見えてきて、仕様や予算において的確な開発提案を行うことが可能になります。代理店の担当者が工業、工場、生産、会社を理解することが重要になるのです。
※これらの理解が低い代理店担当者は、予算を持たない顧客担当者からの要望を拾いがちです。サービス代理店と設備メーカーは、会社間でサービス現場の教育施してして、サービス活動での稼ぎを醸成しなくてはなりません。設備技術の共有を行うのみでは、活動量だけが増大して疲弊に繋がります。

サービス担当者の継続勤務
代理店Wと当社は、20年近い協業の歴史があります。前半10年で活躍した営業メンバーやサービスメンバーは既に退社していますが、後半10年のメンバーは定着している人が多いです。サービス業務で妥当な給与を投じられているからと思います。転職の盛んな中国において、誇らしい状況です。設備技術の蓄積だけではなく、オプション機能や、仕様拡大の改造など、販売ポイントを提供し続けるのが設備メーカーの責務となっています。

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