保守部品リストは、生産設備がユーザー現場で運用されていく時に、故障リスクを考慮して予め部品をストックしておくことために参照するリストです。主要な機構部品であるモーター、ボールネジ、ベアリング。アクチュエーターやセンサー類、制御基板や操作ボタンなどが該当します。通常は設備納品に添付して提供されるものですが、幾つかの役割を担っています。

購買部門による購入計画
設備発注が決まると、先方の購買部門から早々に保守部品リスト提出の要請があります。大きな企業であれば、各プロセスで使用する生産設備を横断して共通に使用されるブランドの部品が存在します。有名なセンサーメーカーは限られているので、センサー本体やメンテパーツが共通であることはよくあります。共通な部品をストックしておくことにより低コストで故障時の生産遅延リスク回避することになります。

部品の販売リスト
アフターサービスの部門で、価格を設定して見積書を発行します。見積り提示の方法は単独の見積書と、価格リスト形式があります。とりわけ単独見積書は、設備故障が発生した時に部品を選定して、必要なセットを纏めて掲載するケースが主要な使い方です。価格リストはサービス代理店が、修理に必要な部品を選定するのに重宝します。メーカーの助けを借りずに、選定とコスト評価ができることで、サービスの現地化になります。現場で設備を保全するエンジニアが部品選定できるのが、修理効果が高いです。

世代別の部品構成
生産設備は同モデルの出荷ぎあっても、設計変更や部品廃番の理由で、使用される部品は同一ではありません。出荷世代によって保守部品リストがあるべきです。また、一台の設備内で使用されている主要部品が通しで確認できるため、図面を見るかのような想像と評価が可能です。古い世代のサーボシステムが使われているとか、変位センサーの型式から解像度がわかったり、設備メーカーオリジナルの制御機器の使用割合など。ユーザー保守担当者にとっては、業務知識が積み上がる愉しみもあるようです。

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