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トランプ政権の最後に注目していたこと

2021年1月上旬、トランプ大統領の敗北に伴う政権移行を巡って、アメリカでは騒乱に近いような状態が続いていたが、フェイクニュースが飛び交い実際のところがよく分からなかった。

アメリカの分断は深刻で、南北戦争以来の危機とも言われていた。だから、トランプ大統領を否定するのも、肯定するのも、物事を一面的に見ているにすぎず、アメリカが抱える問題の真の根深さに言及しないニュース報道に辟易していた。

そんな中、動向を注目していた二人の人物がいる。いずれも将来の共和党大統領候補として私が期待している人物である。

マルコ・ルビオを一見うまく立ち回ったが・・・

マルコ・ルビオ上院議員は、アメリカ共和党の若手のホープである。2016年大統領選には、トランプ大統領とともに共和党指名候補を目指して戦ったことから、当然、いずれ大統領選に出馬してくるだろう。

外交タカ派でカトリック的価値観を守るアメリカの保守本流だが、トランプ大統領に比べれば比較的穏健で現実主義的に見える。ネオコンに近いが、まあ古き良き共和党本流と言えるだろう。

中国に対して、民主主義諸国がどのように対峙するべきかを考える「列国議会連盟」にアメリカを代表して入っている。(ちなみに、この連盟には日本からは自民党の中谷元防衛大臣と、国民民主党の山尾志桜里議員(!)が入っている)

ルビオさんは、トランプ大統領の「選挙には負けていない」騒動のさなか沈黙を守り、最終的にはトランプ大統領と決別する道を選んだ。民主主義の総本山であるアメリカ議会の混乱が長く続くことは、様々な意味で国益に利さないことから、まあ現実主義的に賢明な判断と言えるだろう。ルビオさんのバランス感覚を証明した形だと私は思った。

一方で、トランプ大統領には熱狂的な支持者が一定数いる。いわゆる没落した白人中流階級層だ。ルビオ上院議員は、この層を敵に回してしまった可能性がある。この判断が2024年大統領選挙のとき吉と出るか凶と出るか注目しながら、ルビオさんの今後の動向を見守りたい。

ポンペオ国務長官は孤軍奮闘

マイク・ポンペオ(ポンペイオ)国務長官は、大統領選のさなかも熱心に外交業務を果たしていた。トランプ大統領が外交に見向きする余力もない中、ポンペオさんは淡々と「トランプ後の世界秩序」に向けて布石を打っていたと思う。

具体的な一つ一つのことには言及しないが、これは素晴らしいことだ。

以前も書いたが、ポンペオさんはトランプ大統領のイエスマンだと言われていたが、私は実はトランプ大統領よりも上手だったのではないかと思っている。トランプ大統領のイエスマンのふりをしながら、トランプ大統領という強力な避雷針のもとで自分がやりたい外交を淡々と続けてきたのではないだろうか。

2024年の大統領候補に今のところ名前が上がらないのだが、トランプ信者からの受けもいいだろうし、大統領を目指せば国務長官時代の実績もあり、共和党の最有力候補になるのではないだろうか。

トランプ支持者も含めて共和党を一つにまとめることができるのは、ポンペオさん以外にいないのではなかろうかと、期待をこめてここに記しておく。

ぜひ、2024年には大統領として戻ってきて欲しい。

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