トランプ時代、バイデン時代、そしてバイデン後を考えてみる

本日は、アメリカ合衆国の3世代の大統領、トランプ、バイデン、そしてバイデン後の大統領について考察してみたいと思う。

トランプ大統領

世界中で嫌われているトランプ大統領であるが、安部総理と個人的に仲が良かったこともあり、日本では意外とファンも多いトランプ大統領。滅茶苦茶なところもあったが、人間味溢れるところもあり、総じて「おもろいおっさん」だったのではないだろうか。暴れん坊のイメージに反して、ほとんど戦争をしなかった数少ないアメリカ大統領の一人でもある。

トランプ大統領の頭の中は選挙対策ばかり、と批判的なメディアは報じていたが、一方でまったくそうではないことを示すエピソードもある。

印象に残っているエピソードを二つ紹介する。一つは、G20大阪サミットのとき、直筆の感謝状を大阪府知事に送った唯一の外国首脳であったと記憶している。アメリカの大統領が、日本の地方行政の長にわざわざ感謝状を贈るなど、選挙対策としては全く何のメリットもない。そしてもう一つは、拉致被害者の横田さんのお父さんが亡くなったときに、お悔やみの手紙を送ったというエピソードだ。この話を聞いたとき、このおっさんは凄いおっさんだと思った。ビジネスマン時代からの人たらし術の一貫なのだろうが、これは選挙対策でもなんでもない。このようなことをしても、アメリカ国内では1票も増えないだろう。選挙とは無関係のところで、意外ときめ細やかな気配りができるところがあると言える。

総じて、個人的にはトランプ大統領の評価は世間で言われているほどには低くない。

ただ一方で、2024年の大統領選挙に再出馬する可能性があるとの報道もあるが、これにはあまり賛同しない。その理由は後で記載する。


バイデン大統領

さて、就任時点で78歳という高齢のバイデン大統領、オバマ政権時代の副大統領であったことから、基本的にはオバマ時代後半への路線回帰となるだろう。

そういう意味では、良くも悪くもサプライズがなく、日本にとってもメリット・デメリットの両方があるように思う。

問題は、オバマ時代の不満がトランプ大統領を生み出すエネルギーとなったという事実である。オバマ時代への回帰は、それで喜ぶ人もいるだろうが、不満をためる人も増えるに違いない。特に、「没落した白人中流層」の中で、再びトランプ的なものを生み出す熱が高まるかも知れない。つまり、歴史は繰り返すかもしれない。

「トランプ大統領を生み出すエネルギー」と「反トランプ的なエネルギー」の間の分断がさらに深まるのかどうか、バイデン大統領の手腕が最も問われることになると思われる。


バイデン大統領は、過去の発言を見る限り、とても親日的な人物とは思い難い節がある。トランプ時代と比べて、日本にとってはやややりにくい相手になるかもしれない。そんな日本にとってのキーパーソンは、キャロライン・ケネディ元日本大使ではないかと考える。こんな記事も出たーバイデンと菅のために「ケネディの娘」が動くー

アメリカ民主党は、伝統的に日本との関係性が「悪い」ことが多いが(日米開戦時の大統領も民主党のルーズベルト大統領だった)、日本としては、そんな民主党に強い影響力を持つ超親日家のケネディをうまく使わない手はないと思う。

というか、ケネディさんはもっと民主党の重要役職について欲しいと願っている。バイデン政権において、私が最も注目する人物の一人である。


バイデン後の大統領

バイデン大統領が2期目に突入するとすれば、もう齢82歳・・・マレーシアのマハティールさんのような例もあるから絶対無理とは思わないが、バイデン大統領がマハティールさんのようなカリスマ的存在になるとはどうも考えにくい。

とするなら、日本としてはバイデン政権と対峙するとともに、ポスト・バイデン時代も見据えた動きをしておくべきだと考える。

アメリカでは今、国民の深刻な分断が起きている。没落した白人中間層を中心とした「トランプ的な存在を望むグループ」と、多様性重視の「トランプは絶対嫌だというグループ」である。バイデン大統領の誕生も、国民がバイデンさんを熱望したというよりは、「反トランプ的な熱」の高まりがバイデンを押したという側面が強いように思う。

バイデン大統領がこの分断をうまくまとめることができなければ、水面下でより過激な「トランプ的存在」を望むエネルギーがマグマのように溜まっていくだろう。これは、恐ろしいことである。トランプ大統領はめちゃくちゃだったが、人間味に溢れる部分もあった。「トランプ以上の極右」の存在をアメリカ国民の一定数が望んだとき、世界はどうなってしまうのだろうか。「トランプならまだマシ」と言える過激思想の大統領候補が台頭してこないとも限らない。

一方で、トランプ大統領の最大の問題点は、分断されたアメリカをまとめようとせず、「トランプ的存在」を望む支持者たちを向きながら政治を行ってきたことだ。従って、2024年にトランプ大統領が再選される未来は、結局「オバマ時代→トランプ時代」の繰り返しに過ぎないものになってしまう。アメリカの分断化はアメリカを弱体化させ、アメリカの弱体化は日本にも絶大な悪影響を与えることから、それはできれば避けて欲しいと思う。

個人的には、「古き良き共和党大統領」の選出を願う。個人的には、トランプ政権で国務長官を務めたマイク・ポンペオさんが最大の推しである。

当初、ポンペオさんはトランプ大統領の絶大なるイエスマンだと思っていたが、政権後期のポンペオさんの動きを見ていて、そうではない気がしてきた。大統領期間中も、ポンペオさんは同盟諸国を積極的に回り、トランプ大統領が破壊しかけた同盟国との信頼関係を復活させるよう動いていたように見えた。

ポンペオさんは、トランプ大統領という「目立つ嫌われ者」を隠れ蓑として、自分がやりたいことを一生懸命推進していたのではないだろうか。イエスマンどころか、ポンペオさんの方が一枚上手なのかも知れない。

トランプ大統領のイエスマンと思われていた経緯から「トランプ的存在を望む集団」からの受けもいいだろう。あとはトランプさん自身がポンペオさんを推せば完璧だ。ということで、2024年にはポンペオ大統領の誕生を期待したい。


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