俺の弱みと闘い

 コンクールに参加しない分、本来であれば俺はもっと多くの色んなタイプの人たちとコミュニケーションをとる必要があると考えている。けれど実際は生活していくことと、個人の創作とその発表に留まっていることについて、自らとして不甲斐なさと恥を感じると共に、このままではいけないと思っている。「多くの色んなタイプの人たち」というのは、自分の生活圏からそれ程遠くない距離にある、人通りの多い駅前を今まさに行き来する人たちのことを言っているのだと思う。
 コンクールでたたかう方々の勇気ある行動とひたむきさを尊敬している。俺がもしこのまま死んでいくのなら、俺は俺の闘いをしていないし、臆病かつひたむきさとは無縁の恥ずべき人間だと思う。なんとか抗いたい。
 昔オープンマイクイベントを開いていたとき、私がよく知らない人にも来て欲しかった。詩人や作家、役者、ミュージシャン等といった肩書きがないと語る人や、職業名を肩書きにしている人にも来て欲しかった。会が開かれる前、会場の前に出る。目の前を往来する人々に、どうしたら来てもらえるのだろう。生活から紡がれる言葉が聴けるのだろうと考えていた。今はイベントをしていないけど、考えていること、希望は同じだと思う。俺は、もしも生活を支える言葉があるのなら、それに触れたいのかも知れない。そんなものはないという事実も含めて。

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