アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」感想と『ぼざろロス』

こんにちは、かわかみです。
今回は、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」が非常に良作で、感想を共有したかったため、この記事を書きました。

【注意】
内容に関する重大なネタバレは避けたつもりですが、部分的にネタバレとなってしまう可能性のある文章もあるので、未視聴の方はご注意ください。

このアニメを見た経緯

筆者は今まで普段あまりアニメを見る習慣がなかったが、SPY×FAMILYが非常に話題になっており気になったため視聴したところ、面白かったため、友人にその話をしたところ本作を勧められたため視聴した。

良かった点

「ぼっち」の解像度の高さ

主人公の「ぼっちちゃん」こと後藤ひとり。極度な人見知りだが、本当は「話しかけられたい」と思っていたり、普段被承認体験が少ないからこその強い承認欲求があったりと、人物像が妙にリアルであり、ここまで極端ではなくとも筆者が共感できる点も多かった。

ギャグ要素

本質的には主人公のぼっちちゃんの成長を描いた作品にも関わらず、ギャグ要素が回を重ねるごとにどんどん濃くなっていき、ずっと笑いながら見ていた。

劇中曲のクオリティの高さ

まず曲そのもののクオリティが高い。高校生にしては作詞作曲のクオリティが高すぎるようにも感じるが、歌詞はぼっちちゃんの内面を強く反映したものである事が伝わってくるし、作曲もリョウさんならこのクオリティのものを作っていてもおかしくないという信頼感がある。
そして何より凄いと思ったのは、演奏シーンの描写がリアルで細かい所まで再現されている事であり、本当にライブを聴いているような感覚に陥った。

ぼざろロス

上記の通り、非常に面白かったアニメであるが、見終わってしまうと強い虚無感に襲われてしまった。「ぼざろロス」である。
この原因には大きく分けて2つあり、1つは単に面白いアニメが終わってしまった事であるが、もう1点は、「本作のような事が存在しない現実に引き戻された」事である。
先述の通り、主人公のぼっちちゃんには共感する場面も多く、ある意味自己投影して見ていた側面もあり、主人公のぼっちちゃんが、バンドに加入して、メンバーと仲良くなったり、ライブを成功させたりというのが、あたかも自分の事のように嬉しく、もう一人の自分として夢を見ているような感覚に陥っていた。しかし、本作を視聴し終わり、その夢から醒めると、そこに残されたのは、ぼっちちゃんのような秀でた能力が何もない「ぼっち・ざ・無」の自分だけである。また、もし仮に演奏能力があったとしても、バンドの人員が足りないから手伝って欲しいと公園で声をかけてくれるような人はいない。
また、作中でぼっちちゃんが、青春のキラキラしたような物語を見るとダメージを受けるという「青春コンプレックス」を抱えているという描写があったが、筆者にも同様のコンプレックスが少しある。とはいえ、陽気な主人公が登場するような物語は、共感度が低いので逆にあまり何も思わないのだが、本作は青春とはかけ離れた存在だった主人公が、バンドという自分の青春を見つけたといえよう。それが、かえって筆者の「青春コンプレックス」を抉られる結果となり、それが「ぼざろロス」を増強してしまった。
劇中歌を何度も聴き直しては、ぼざろロスで少し感傷的な気分になっているが、その感覚がなければここまで本作が記憶に残る事はなかったであろう。

総括

「ぼざろロス」に苛まれている筆者ではあるが、それくらい記憶に残る良いアニメだった。本当にこのアニメに出会えて良かったと思う。
またオススメのアニメ等あれば教えてください。

最後に

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