【ポケカ】海外環境から学ぶC落ち環境の考察

はじめに

こんにちは、かわかみと申します。
ポケモンカードゲームでは、レギュレーション変更により1/14より左下のマークが「C」のカードがスタンダードで使えなくなります。
今回は、そんなC落ち後の環境について、既にCのカードが使えない海外の環境を参考に、考察していこうと思います。

現在の海外環境のカードプール

Cレギュレーションは使用不可で、「フュージョンアーツ」発売後の環境です。
「ハイパーボール」や「エンテイV」などの「スタートデッキ100」収録のカードは未登場です。

デッキのシェア・Tier表

ミュウVmaxが15%超と、頭一つ抜けて最多。次いで一撃ウーラブラッキーが約10%。この2つのデッキが環境の中心となっています。
続いて、連撃ウーラオスVmax、サンダースVmax、スイクンルンパッパ、ザシアンV、リーフィアVmax、白馬バドレックスVmaxと続きます。

ここから現在のTier表を作成したものが以下になります。

海外環境のTier表

個別解説

ミュウVmax

Adam Kalamat 様のデッキ

ミュウVmaxは圧倒的なデッキパワーを持ち、飛び抜けて強いです。
さらに、ハイパーボールの登場で強化されるため、今後の環境トップも間違いないでしょう。
ウィークガードエネルギーが落ちた影響で悪デッキには不利を取りますが、他のほとんどのデッキに対して強いです。
後攻1ターン目からメロディアスエコーを使って攻撃できるよう、メロエッタ採用が流行。その再現性を上げるためにウッウロボの採用が多いようです。
〈相性〉
一撃ウーラブラッキー…微不利
連撃ウーラオス…超有利
サンダースVmax…五分
スイクンルンパッパ…有利
ザシアンV…有利
リーフィアVmax…有利
白馬バドレックスVmax…微有利
ゲンガーV…不利

一撃ウーラブラッキー

Zach Cohen 様のデッキ

ミュウVmaxに対してはブラッキーVmaxが弱点を突けて互角以上に戦えるほか、サンダースやムゲンダイナ等には一撃ウーラオスが弱点を突いていけるため、環境的にはかなり良い位置にいるようです。
弱点だったリセットスタンプが落ちたのも環境的に追い風です。
〈相性〉
ミュウVmax…微有利
連撃ウーラオス…微不利
サンダースVmax…有利
スイクンルンパッパ…超不利
ザシアンV…五分
リーフィアVmax…超不利
白馬バドレックスVmax…不利
ゲンガーVmax…微有利

連撃ウーラオス

Jake Pilch-Courie 様のデッキ

ベンチバリアのミュウがレギュ落ちしたことでキョダイレンゲキの通りが良くなりましたが、環境トップのミュウVmaxデッキには大きく不利を取る難しい位置にいます。
その対抗策としてガラルファイヤーを採用した型が多く見られますが、ミュウVmaxデッキに対する勝率は3割弱程度にとどまるようです。
なお、三神がレギュ落ちしても、このデッキと、後述のサンダースデッキの影響により、非エク系のデッキは数が少ないようです。
〈相性〉
ミュウVmax…超不利
一撃ウーラブラッキー…微有利
サンダースVmax…有利
スイクンルンパッパ…五分
ザシアンV…五分
リーフィアVmax…微有利
白馬バドレックスVmax…五分
ゲンガーVmax…超有利

サンダースVmax

Vaughn 様のデッキ

こちらもベンチバリアのミュウのレギュ落ちの恩恵を受けているデッキタイプ。ミュウVmaxデッキに不利を取らないのも強みです。
ただし、闘タイプのデッキに対しては厳しい戦いを強いられます。
〈相性〉
ミュウVmax…五分
一撃ウーラブラッキー…不利
連撃ウーラオス…不利
スイクンルンパッパ…超有利
ザシアンV…有利
リーフィアVmax…有利
白馬バドレックスVmax…超有利
ゲンガーV…五分

スイクンルンパッパ

PerryTheP 様のデッキ

ルンパッパのハイテンションダンスと、インテレオンのクイックシューターで、スイクンVの打点を補助します。
一撃ウーラブラッキーには大きく有利を取っているようですが、ミュウVmaxデッキには苦戦しているようです。
〈相性〉
ミュウVmax…不利
一撃ウーラブラッキー…超有利
連撃ウーラオス…五分
サンダースVmax…超不利
ザシアンV…有利
リーフィアVmax…不利
白馬バドレックスVmax…五分
ゲンガーV…有利

ザシアンV

Joshua Sutherland 様のデッキ

「スピードザシアン」とも呼ばれ、たねポケモンのザシアンVでテンポ良く戦っていくのが強みのデッキです。
〈相性〉
ミュウVmax…不利
一撃ウーラブラッキー…五分
連撃ウーラオス…五分
サンダースVmax…不利
スイクンルンパッパ…不利
リーフィアVmax…有利
白馬バドレックスVmax…有利
ゲンガーV…五分

リーフィアVmax

Gabe Shumway 様のデッキ

「くさむすび」は、相手の逃げエネルギーを参照する技。
一撃ウーラブラッキーなどの逃げエネルギーが重いポケモンが多いデッキには有利です。(ブラッキーには弱点も突ける)
一方、環境トップのミュウVmaxが逃げエネルギー0なので、やや厳しい立ち位置のようです。
〈相性〉
ミュウVmax…不利
一撃ウーラブラッキー…超有利
連撃ウーラオス…微不利
サンダースVmax…不利
スイクンルンパッパ…有利
ザシアンV…不利
白馬バドレックスVmax…五分
ゲンガーV…微不利

白馬バドレックスVmax

Dominick Schroyens 様のデッキ

混沌のうねりやマーシャドーのレギュ落ちの影響で、「頂への雪道」の刺さりが良くなっています。
しかし、リセットスタンプもレギュ落ちしたため、強かった「雪道+スタンプ」の動きができなくなった事が痛手です。
〈相性〉
ミュウVmax…微不利
一撃ウーラブラッキー…有利
連撃ウーラオス…五分
サンダースVmax…超不利
スイクンルンパッパ…五分
ザシアンV…不利
リーフィアVmax…五分
ゲンガーV…五分

ゲンガーV

Vini Fernandez 様のデッキ

ミュウVmaxデッキに滅法強いのが特徴。
ブラッキーVmaxや、一撃ウーラオスのほか、ガラルマタドガス、裏工作軸など、様々なポケモンとの組み合わせが考えられ、デッキの幅が広いです。
〈相性〉
ミュウVmax…有利
一撃ウーラブラッキー…微不利
連撃ウーラオス…超不利
サンダースVmax…五分
スイクンルンパッパ…不利
ザシアンV…五分
リーフィアVmax…微有利
白馬バドレックスVmax…五分

その他

・インテレオンVmax
ミュウVmaxやサンダースVmaxに対して不利を取っています。
ミュウVmaxはフュージョンエネルギーがついているとクイックシューターが入らないため、倒すためにはキョダイウズマキを3回打つ必要があります。泥試合になることが多いようで、ミュウVmax戦での引き分け(両負け)の件数が多く勝率が伸びていません。

・ムゲンダイナVmax
ミュウVmaxデッキに対しては勝率6割程度と比較的有利ですが、他のデッキには軒並み不利を取っているようです。

・ジュラルドンVmax
環境トップのミュウVmaxも一撃ウーラブラッキーも特殊エネルギー主体に戦うデッキですが、前者はダイミラクル、後者はキョダイイチゲキで突破されるため、ミュウVmaxには不利、一撃ウーラブラッキー対しても五分程度にとどまっています。

・ニンフィアVmax
ガラルファイヤーV採用の悪軸が主流ですが、それでもミュウVmaxデッキに対して勝率が低く、厳しい立ち位置のようです。

・れんげきテンタクル
ミュウVmax、一撃ウーラブラッキーには互角以上には戦えていますが、サンダースVmaxデッキに大きく不利をとっているほか、連撃ウーラオスデッキにも不利であり、非エクに対し厳しい環境になっているようです。
タフネスマントをつけて要求札が上げられるスイクンルンパッパにも、かなり勝率が悪いようです。

・ビクティニVmax
クラハン・雪道を多投し相手の妨害を狙う「ビクティニ単」が流行。
C落ちでGXがいなくなり、比較的簡単に220ダメージが出せるのが強みのようです。
ミュウVmaxデッキ、一撃ウーラブラッキーの両方に微有利ですが、裏工作系のデッキに軒並み不利のようです。

・ドラパルトVmax
ミュウVmaxのメタとして悪デッキが多く環境が向かい風のようです。

・タチフサグマ
ミュウVmax、一撃ウーラブラッキーともにやや有利ですが、サンダースVmax、連撃ウーラオス、スイクンルンパッパに対して極端に勝率が低いです。

・黒馬バドレックス
ミュウVmaxデッキ対策の悪タイプの増加の流れ弾を受け、苦しい立ち位置にいます。

新カードによる環境の変化

ここまで見てきたのは、海外のD~Eレギュレーションの環境です。
日本でのC落ちは、Fレギュ最初の拡張パック「スターバース」登場と同時なので、その影響を考えていきます。

スタートデッキ100

・ハイパーボール

このカードは、ミュウVmaxデッキのさらなる強化につながります。クロバットVとも相性が良くムゲンダイナVmaxデッキなどとも好相性です。
裏工作系のデッキは手札が大事なのであまり相性がよくありません。

・エンテイV、ライコウV
それぞれ、炎、雷のサブアタッカー候補として使われやすいカードです。

スターバース

・アルセウスVstar

好きなカード2枚を手札に加えることができる強力な特性に加え、打点を飛ばしながらエネルギー加速をすることができるのが強力です。
アルセウスレックウザ、アルセウススイクン、アルセウスガラルファイヤーなど、様々な組み合わせが既に考察されています。
三神と違い、倒されてもサイドが2枚しか取られないので、Vmaxとの組み合わせると2-3-3を押し付けることができるので相性が良いです。

・ネオラントV

クイックボールやハイパーボールがサポートに化けるカード。
序盤にドローソースを持ってくるもよし、終盤にボスの指令を持ってくるもよし、腐りにくく汎用性の高いカードのため、多くのデッキに採用が検討できるでしょう。
サポートの枚数を削ったり、ピン刺しのサポートを入れたりと、デッキ構築に影響を与えそうです。

・マグマの滝壺

溶接工はレギュ落ちしますが、今度はサポートを使わない加速手段を得ました。比較的技の要求エネが軽いビクティニVmax等のポケモンが使いやすくなりそうです。

・チェレンの気配り

無色ポケモンを回収できるサポート。ワンパン火力の重要性が高まると思われます。

他にもいくつか新収録のカードが公開されていますが、大きく環境に影響を与えそうなのはこの辺りです。

環境予想

さて、ここからが本題となります。
C落ち・スターバース発売後の環境がどうなるか考察していきます。

ミュウVmaxデッキが環境トップ

ミュウVmaxは現在の海外環境で圧倒的環境トップですが、C落ち後の日本の環境でも同様に環境トップとなることは間違いないでしょう。
ハイパーボールの登場でさらに強化されており、逆にミュウVmaxに対して刺さるようなメタカードも現在のところ発表されていません。

アルセウスVstarデッキが環境入り

アルセウスVstarを軸としたデッキの環境入りが予想されます。様々なVポケモンとの組み合わせが考えられるため、開拓が進むと思われます。
しかし、アルセウスVstar自身が特にミュウVmaxデッキに対して有利な要素があるわけではないので、環境トップのミュウVmaxデッキをひっくり返すほどの力はないのではないかと考えられます。Tier2くらいの位置に入ってくるのではないでしょうか。

闘デッキ増加?

アルセウスVstarデッキが流行ると、アルセウスVstarを簡単に弱点を突いて倒せる、闘タイプを含んだデッキ、すなわち一撃ウーラブラッキーや連撃ウーラオスなどのシェアは上がる可能性があります。
特に一撃ウーラブラッキーはミュウVmaxに比較的強いデッキタイプなので、活躍が期待できます。

非エクは向かい風?

非エクデッキは、最大の敵であった三神がレギュ落ちしましたが、連撃ウーラオスとサンダースVmaxの2つのデッキに対し非常に不利を取ることから、依然として環境としては向かい風となりそうです。

雪道、序盤で貼れると強いが…

頂への雪道は、対処手段となるマーシャドー、混沌のうねりがレギュ落ちする一方、リセットスタンプのレギュ落ちにより「雪道スタンプ」ができなくなったという面もあります。
アルセウスVstarの特性「スターバース」も封じることもでき、序盤に貼れると強いのですが、裏工作で持ってくるとなると2ターン目以降となってしまいます。
しかし、中盤以降になってからでは、雪道を貼るだけでは止められないという場面も多く、なかなか扱いの難しいカードとなりそうです。
結局、白馬バドレックスデッキのミュウVmaxデッキに対する相性が芳しくないことからも分かるように、「雪道だけで止める」というのは難しそうです。

結論

結論として、「ミュウVmax中心の環境」となるのは間違いありません。
ミュウVmaxデッキをどのように対策するか、これが新環境の最大の命題となるでしょう。
弱点を突けないデッキではパワー負けしてしまいます。ミュウVmaxに対して抗える悪タイプのポケモンが新環境のキーポイントとなりそうです。





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