1日でも、1秒でも早く…/Robert Glasper「Everybody Wants To Rule the World」

きっと多くの人がそうであるように、私も2月24日以来、ウクライナのことばかり考えてしまっています。
戦争なんて今の時代起きるわけないと勝手に思っていた私は、本当に無知で世間知らずだったんだなと思い知らされました。
何人が犠牲になったというニュースや、どこどこを制圧したというニュース、別世界となってしまったキエフやハリコフなどの映像に、毎日胸が締め付けられる思いです。一般市民、特に子供達が犠牲になるなんて、本当に耐えられない。
朝のニュースで爆撃にあった子供が病院に運ばれてきて亡くなる映像が流れていて、朝からこんなの流すなよ!と思いつつ、涙が止まらず、息子に慰められる始末。はぁ、母親失格だわ…。

ロシアにも反戦デモをしている人達はたくさんいるし、ロシアの人が全員悪いわけではない。反戦デモをしたロシアの子供を拘束したニュースが出てたけど、マジで狂ってるでしょ…。

コロナと違って戦争はすぐに止めることができるはず。
ウクライナの皆様の平穏な日々が1日でも、1秒でも早く戻ることを心の底から祈っています。

そんな状況で気分も落ち気味だったのですが、そんな時にやっぱり音楽は励みになる。最初はファーサイド「Soul Flower」でも聴いて家で1人踊り狂おう!とか思ってたけど、いざかけてみるとなんか違うというか、そんな気持ちにもなれず(ファーサイドも「Soul Flower」ももちろん大大大好きですが)。
私がここ数日一番しっくり来たのが、前にもこのnoteで紹介したH.E.R.の「For Anyone」。失恋ソングだし、決して明るい曲じゃないけれど、なぜか今の私にはしっくりきて、冗談抜きで毎日5回以上は聴いてます。心落ち着くんですよね。

あとはメアリー・J・ブライジの新作にして傑作『Good Morning Gorgeous』。メアリー、メアリー、毎回うるさいですね(笑)。けどメアリーはいつだって私に元気をくれるのです。
他にもシディベ(Sidibe)の新曲「Go On Ahead」とか、アント・クレモンズのEP『4Play』(ちょっと前のリリースだけど)とか、ロバート・グラスパーの新作『Black Radio III』とか。あと、テレビでAIちゃんと森山直太朗さんが一緒に朝ドラ主題歌の「アルデバラン」を歌っていたのですが、それが素晴らしく。AIちゃんももちろん良かったけど、森山直太朗さん、本当に素晴らしいシンガーですね。心震えました。

と、私には心癒してくれる音楽がある。音楽以外にも白石一文『ほかならぬ人へ』を読んだり、カニエのドキュメンタリーの第2部を観たり(第2部も面白かった!)、2月24日以降も娯楽を楽しんでいる。それはとても贅沢なことなんだと、世界がこんなことになって思い知ります。ウクライナの方々が音楽やその他エンタメや芸術、スポーツを安心して楽しむことができる日が早くきますように。心癒される日が早くきますように。心から願っています。


<今日の1曲>
Robert Glasper / Everybody Wants To Rule the World feat. Lalah Hathaway &  Common

ロバート・グラスパーの新作『Black Radio III』にはQティップ、ジェニファー・ハドソン、ミュージック・ソウルチャイルド、H.E.R.、ミッシェル・ンデゲオチェロ、PJモートン、インディア・アリー、キラー・マイク、BJ・ザ・シカゴ・キッド等々、とんでもなく豪華なゲストが大勢参加していて、もはや反則技というか、悪いわけがないという感じですが、中でもこの曲が今の私には一番沁みます。ティアーズ・フォー・フィアーズのヒット曲のカヴァーですが、軽快なオリジナルとはだいぶ趣が違って、かなりヒリヒリとした静粛なサウンドに。オリジナルの歌詞はポップなサウンドとは裏腹に、権力の暴走とそれが引き起こす悲劇について歌っており、グラスパー・ヴァージョンはその歌詞に合わせたサウンドになっているといった感じです。そしてその歌詞が今の状況に完全にダブる。レコーディングをしたのは当然ウクライナ侵攻前だけど、あまりのその偶然に震えます。

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