The Voice / Shade Jenifer「Unfinished Business」

まずは告知。
前回紹介したウェブ・マガジン「otonano」掲載の<編集部が語るあの頃のJapanese R&Bシーン>、第2弾がアップされてますので、是非ご覧になってくださいませ。どんどん生々しい話になってますが、ザッツ・リアルってことで…。

(今回から登録しないと見れないみたいですが、登録無料ですので是非)
最終回となる第3弾も今週中にはアップされるんじゃないかなーと思います。


さて、若干今更感が否めませんが、映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』の感想をば(ネタバレ注意)。

結末を知っているので観終わった後はどんよりするのかなぁと思ってましたけど、そんなことはなく。もちろん辛い場面もたくさんありましたけどね。
けどホイットニーの<歌>を全面に出した作りだったことで、悲しさよりも(いや、悲しいは悲しいんだけど)彼女の偉大さ、ヴォーカリストとしての唯一無二で圧倒的な才能を改めて思い知る内容になっていると思います。まさに<The Voice>。これは製作者サイドのホイットニーへのリスペクトであり、愛でもあるでしょう。
さすがは「ボヘミアン・ラプソディ」のチームといったところでしょうか。

あとは彼女を支え続けたクライヴ・デイヴィスとの物語でもあり、家父長制や人種差別との戦いの話でもあり(父親がとにかくクズすぎる。ボビー・ブラウンといい、クズを引き寄せる運命なんでしょうか…)。
スーパーボウルの国歌斉唱に、ドレスではなくカジュアルなジャージ姿で出た意味もこの映画を見て知りました。あのシーンもすごく感動的。
ラストの、アメリカン・ミュージック・アワードでの<やるのは絶対不可能>と言われていたメドレーをやってのけたシーンも最高すぎ……って、見どころを挙げたらキリがないんだけど、この映画は絶対映画館で見た方がいいと思うので、未見の方は是非劇場へ。<歌>の持つ力に圧倒されますよ。

映画での国歌斉唱のシーン。本当は本物のシーンを貼ろうと思ったら<著作権で保護された映像の展示はFBIによって調査され刑事罰を与える>みたいな警告文が出てきたので、ビビって貼れず(笑)。

HPに掲載されている松尾潔さん(本作の監修も務められてます)の寄稿文も素晴らしいので是非

Whitney Houston / I’m Every Woman
ホイットニーで一番好きな曲は何かなーと考えたんだけど、思い入れ込みでこれかなー。これかよ!って感じですが。しかもカヴァーだし(オリジナルはチャカ・カーン)。まぁ、そんなこと言ったら「Greatest Love Of All」も「Saving All My Love For You」も「I Will Always Love You」もカヴァーですが。そしてこの曲のMVにはTLCがキャメオ出演しており。それだけで優勝でございます。

Whitney Houston / Heartbreak Hotel feat. Faith Evans, Kelly Price
これも懐かしいなー。今見ても&聴いてもすごい組み合わせ。プロデュースはソウルショック&カーリン。

改めて48歳で亡くなったのは早すぎるなぁ。。。娘のクリスティーナまで3年後にホイットニーと同じように浴槽で亡くなっちゃうし。
存命だったら、今のR&Bシーンもまたちょっと違うものになっていたかもしれないですね。その世界が見られなかったのは残念ですが、ありきたりな言葉で言うと曲は残るので。今日も「I’m Every Woman」 を聴いて踊り、「Greatest Love Of All」を聴いて浸ろうと思います!


<今日の1曲>
Shade Jenifer / Unfinished Business

ホイットニーの映画のサントラに収録されている初公開ナンバー(レオン・ウェアが関与した「Far Enough」とか)を紹介しようかなと思ったけど、新譜も色々出ているのでこちらを。ワシントンDC出身の25歳。トロイ・テイラーの秘蔵っ子である彼の新曲は、クリス・ブラウン直系の甘いスロウ・チューン。ザ・R&Bって感じでいいですねー。とろけます。トロイ・テイラーは前回紹介したヴィドも手掛けてるし、エリック・ハドソンやジャーメイン・デュプリ然り、90s/Y2Kに活躍したプロデューサーが頑張ってるのは嬉しい限りです。そういやジェイ・ZとR.ケリーで『Unfinished Business』というコラボ・アルバムを出したことがありましたねぇ…。

Shade Jenifer / The Two Of Us
シェイドくんは2022年の年間ベスト・ソングにも入れたこの曲が好きすぎて。泣けます。

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