甘くて薄い、それでいて苦い。

病むこともなくなってきて
擬態するのもうまくなってって
ちょっとずつ自分を出すのもうまくなった
ちょうどいい生き方です。

あの頃聞いてた曲たちに
どんどん共感できなくなってった
それに共感してる人たちがずんずんずんと遠くなる
「お互い辛いなわかるよ」と
何も言わんでも通じ合えてた
あの空間にはもういられなくなってた
仲間が急にいなくなったような
いや私から去ったんだっけ?

毎日誰かが誰かを笑ってる。
知ってるような知らないような誰かの会話。
混ざりたくないからちょっとだけ変な笑い方したんだ
誰も気づいてないけど私なりの抵抗だった。


自分の機嫌の取り方は
あの頃よりも随分上手くなった
病んだからって暴れもしないし
大人しくため息ひとつ、
寝ちゃえばいいやと全てのものに目を瞑る。

ほんとは機嫌が取れるようになったんじゃない
いつだってニコニコしてても平気じゃない
毎日毎日嘘ついて眠るだけなんだ
みんなに馴染むことは
私を置いてけぼりにすることだったみたいです。

誰かに混ざっても全然ものたんない
一番相性がいいのは私と私だけなんだもん。
混ざり切った私を飲み干してくれる誰かを探してる。
いつだって、今日だって、
苦くて薄いのを隠したままで、探してる。

詩織

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