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世界の工業1(自動車)

今回から世界の工業を詳しくみていきます。
まずは自動車産業です。自動車が誕生したのは1769年。フランスの二コラ・ジョセフ・キュニョーが蒸気で走る自動車を発明しました。
次に発明されたのは実は電気自動車!1873年にはイギリスで実用化されていました。ガソリン車よりも先だったのですね。
その後ようやく、ガソリン車がドイツで1886年に誕生しました。それから30年後の1908年にT型フォードが生まれ大衆化しました。ここから自動車産業がどのように移り変わっていったのでしょう。

データはこちらからもらいました。

Power BI Desktopを使います

今回は、私が最近はまっているPowerBI Desktopを使うことにします。BIツールは色々と使ってきたのですが、PowerBIだけは本格的には使っていませんでした。
Officeユーザーであれば無料で、また直感的に使えます。ぜひ大学のレポートや会社での報告書などにも活用してみてください。

PowerBIを今回使おうと思った点はもう1つあります。
今から扱うデータを見た時に、「これはSASが苦手なタイプじゃん」、と思ったからです。

こんな感じで、テーブル名の行があったり、セル結合されていたりなど、データを読み込む形式になっていません。Power BIはこのようなタイプのデータでも簡単に加工ができます。
まずこのデータをPower BIに取り込むとこんな感じになります。

とりあえずセル結合などは無視して読み込んでくれます。
ここからNon Programingで何回か変換作業をすると以下のような形にできます。

これであれば分析ができます。
ではさっそく、世界の自動車生産のようすを見てみましょう。

世界の自動車生産台数割合

現在は中国が自動車生産の35%を占めています。日米が束になってもかないません。

2021年の世界の自動車生産割合

自動車製造は、たくさんの労働力を必要とするため1人当たりGNIが低く、人口の多い国で行われます。
アメリカの自動車製造は、メキシコやカナダで行われています。特にアメリカでは、かつて自動車産業で栄えたデトロイトから、カナダのトロントへ工場が移転しています。アメリカに比べれば賃金を抑えられるとともにトロントは英語圏でもあるので都合が良いのです。同じカナダでもモントリオールやオタワなどのフランス語圏では言語の問題が出てしまいます。
同様に、フランスの自動車製造はスペインへ、ドイツはポーランドに行きます。
このグラフには出ていませんが、日本の自動車工場はタイに移転しています。

世界の自動車産業の趨勢

次に時代的な流れを見ていきたいと思います。
生産台数の推移をみると、自動車産業の栄枯盛衰がよくわかります。

1960年代はアメリカの時代です。

1961年の世界の自動車生産割合


世界生産の半分弱を占めていました。アメリカが最も栄えたころです。2位以下には今のG7各国が並んでいますね。

1970年代になると日本が台頭してきます。

1971年の世界の自動車生産割合

要因のひとつは、1970年代に起こったオイルショックです。オイルショックによって燃費の悪い大型のアメリカ車の販売台数が落ちますが、一方で燃費のよい日本のコンパクトカーが世界中で売れ始めます。

1980年代に入ると、日本がアメリカを抜いて世界1位となります。

1981年の世界の自動車生産割合

ここから20年ほどは日本の時代が続きます。エズラ・ヴォーゲルによる「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が出版されたり、バブル経済に沸いていた時代と重なります。

しかし、1990年代に入ると日本の生産台数が減ってきて、再びアメリカが世界1位となります。

1994年の世界の自動車生産割合

バブル世代の人たちはよく覚えていると思いますが、日米貿易摩擦により、アメリカによるいわゆる日本バッシングが始まったことが原因です。
これにより日本の自動車工場はアメリカへ移転し、現地生産をしていくことになります。これによって現地生産、現地販売し貿易摩擦を解消しました。

2000年代は中国の時代です。
2009年に日本は世界一の座を中国に明け渡します。

2009年の世界の自動車生産割合

その後の2010年には、GNPも日本と中国で逆転します。

自動車生産台数を見るとその時の勢いのある国がよくわかります。そして今はインドが伸びてきていますね。インドは2023年に人口が世界一になるなど上り調子の国です。いまだに1人当たりGNIも低いため、これから様々な分野での成長が見込まれます。

自動車メーカー別でみると?

自動車メーカー別のグラフは、社会の教科書には載らないでしょうね。データはこちらからもらいました。

日米欧のメーカーが並んでいます。これらの国々が、中国やインドに工場を建てて世界中に輸出していることがわかります。

国別自動車販売台数

自動車がよく売れている国はどこでしょう。データはこちらからもらいました。

改めて中国の市場的な魅力がわかります。日本は世界第2位の市場です。狭い国土に多くの自動車が走っているのですね。

中国での自動車メーカーの勢力図は?

中国ではどのメーカーの車が売れているのでしょうか。データはこちらからです。(表が画像貼り付けだったのでデータとして読み込むことができませんでした。)。BYD(比亜迪)、Changan(長安汽車)、Geely(吉利汽車)、Wuling(上汽通用五菱汽車)などといった中国メーカーが入っています。これらは今でこそ中国国内での売り上げが多いですが、やがて中国車が世界を席巻することになりそうです。

Power BI Desktopを使ってみて

今回初めてPower BI Desktopを使ってみましたが、はっきり言ってSASよりよかったです。データの取り込み、加工がしやすく、グラフなどの作成もマウス操作だけで簡単にできます。さらにグラフも、フィルタリングで動的に条件を変えることができるので、SASのように年が変わっただけで新たにプログラムをし直す必要もありません。Non-programingを多少馬鹿にしていたところもあったのですが、考えを改めました。目的と手段を取り違えていたようです。Power BIは、触りながらデータに親しむことができるアプリなので、ビジネスの世界だけでなく教育の場面でも活用してもらいたいと感じました。

まとめ

自動車産業の推移をみると国ごとの栄枯盛衰がよくみえます。現時点では、右肩上がりの中国、インド、斜陽の先進国の構図です。
テスラの台頭などに見られる電気自動車の普及も、今後の業界地図を書き換えていきます。さらに空飛ぶ車の出現など移動手段の多角化も加わり、自動車産業という日本の牙城が崩れる日が来るのか、官民でこれを好機ととらえるのか、今が分かれ道です。

T型フォードを普及させたヘンリーフォードの以下の言葉は有名ですね。

「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、
   彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。」

顧客ニーズをそのまま実現するのではなく、それを実現するための新たなイノベーションを生み出し、知的財産を有効に活用するということが先進国の生き残る道です。

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