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帰化申請での面接対策

面接の目的は?

面接の目的は、ずばり以下の2点です。

  • 提出された書類の内容が事実か

  • 日本人生活するだけの日本語能力があるか

資料に書かれていることをさまざまな角度から質問し、矛盾やあいまいな点がないかなどを確認します。そして質問の意図を理解してそれにあった回答ができているか、というところから日本語能力も確認しています。

誰が面接を受ける?

申請者および法務局から指定された同居家族などです。結婚している場合は夫婦で来るように言われることが多いです。
別々に面接を受けますが、同じようなことを聞かれます。そこで食い違いがないかを確認します。資料の信ぴょう性や夫婦関係(偽装結婚ではないかなど)などをチェックしているのでしょう。家族にも資料の内容を理解しておいてもらいましょう。

面接で聞かれること

面接では、生い立ちから始まって、日本に来た理由、日本での生計の状態、犯罪歴の有無などが聞かれます。
また家族関係では、家族にどんな人がいるか、本国とのつながりはどのくらいあるか、どのくらい行き来をしているかなどが聞かれています。
できれば家族も含めて予行演習しておくといいでしょうね。

これまでの経緯

出生地、来日の動機、来日してからこれまでの居住歴、学歴、職歴などが聞かれます。

帰化に関する意思の確認

帰化の動機書の中身の確認がされます。しっかりと読みこんで、書類と違うことを言わないようにしましょう。これに限らず、書類と発言に齟齬があると一気に信頼が失われます。

何事も正直に答えましょう

家族関係

家族の出身地や家族構成、家族の生年月日などが聞かれます。
結婚している人は、配偶者と知り合ったきっかけ、結婚までの交際期間、配偶者の職業など、離婚している人は、離婚の経緯などが聞かれます。婚約者がいる場合は、結婚の予定なども聞かれるようです。法務局としては偽装結婚を最も警戒していますので、夫婦の実態があるということを確認したいのです。
家族以外の同居人がいる場合は、生計や家事をどのように分担しているのか、などかなり細かく聞かれます。
また、帰化することに対する家族の賛成、反対の別やその理由、日本にいる親族でまだ帰化していない人がいる場合はその理由も聞かれます。
また、本国の書類はどうやって集めたか、現在本国の人と交流があるか、など周辺の質問から、本国との現在のつながりを聞いてきます。

海外渡航の経歴・時期・期間

出国の理由や、母国への帰国頻度などを聞かれます。履歴書(その2)の記載内容を再度確認して、その内容と齟齬がないように答えましょう。

住居関係

賃貸か持ち家か、家賃や広さなど、現在の住まいのことを聞かれます。

生計関係

主に職業に関する質問があります。
現在の仕事の内容、どれくらいの収入があるか、貯金はどのくらいあるかなど、今後、日本で経済的に生活していけるかということを確認されます。
ここでは、給与明細と収支との照らし合わせがされることもあります。

犯罪歴など

前科はないか、暴力団や反社会的勢力などとの付き合いがないかどうかなどが聞かれます。法務局は、職権でさまざまなことを調べることができるためあらかじめ裏を取ったうえで質問をしてくる可能性もあります。ここで嘘をつくと許可はまず得られません。また、昔のことで本人が忘れてしまっているということもあるため、よく思い出しておきましょう。例えば、学生の時の留学ビザでアルバイトしていたときに就労時間制限(1週間28時間以内)を超えたことはないでしょうか。
また実際に道路交通法違反や違法行為などがある場合、その経緯が聞かれます。この時は、正直にその経緯を話し、反省している気持ちを伝えましょう。
また、銀行口座から多額の出入金がある場合も、その経緯を聞かれることがりますので、すぐに説明できるようにしておく必要があります。

税金・年金の状況

会社員の方はこれらに関して聞かれることはまずありません。なぜなら、給与明細で明らかになりますし、納税証明書等で明確になるからです。
しかし、申請者や家族が法人の経営者や個人事業主の場合、申請の受付時点から面接期間までに滞納がないかどうかの確認がされます。

仕事内容

申請した履歴書(その1)の内容と矛盾がないか、その業種、会社名、担当業務などが在留資格と一致しているか、などを確認されます。
また、職場の平均年齢や働きやすさ、有給のとりやすさ、人間関係はうまくいっているかなども聞かれます。担当官は事前に電話で職場での様子などを聞いている可能性がありますので、普段から良好な人間関係を保つよう心がけましょう。

今後の見込み

これから日本人として生きていくことや、日本に居住する意思の確認がされます。前向きにその旨を答えましょう。帰化の動機書との矛盾がないように。

持ち物

持ち物は法務局から事前に指示がありますが通常以下の3点です。

  • 外国人登録カード

  • パスポート

  • 運転免許証(あれば)

筆記テストの有無

必ずではありませんが、担当官が面接をする中で「ちょっと日本語のレベルがあやしいな」と判断された場合には小学3年生レベル読み書きの日本語テストを受ける場合があります。日本語能力試験のN4程度があればよいと言われていますので、安全域としてN3ぐらいに達していると安心です。

「新しい 日本語能力試験 ガイドブック」より

こちらの問題がスラスラ解けるか確認してみてください。

面接に当たって準備すること

基本的には、申請書の内容のチェックがメインです。最もやってはいけないことは、虚偽です。もし記憶のあいまいなことを聞かれたら適当に答えるのではなく、その旨を正直にいいましょう。そのつもりはなくても、虚偽と判断されると確実に不許可となります。

面接に臨むポイントです。

  • 失礼のない身だしなみでいきましょう。見た目で不信感を持たれるのは損です。

  • 提出した書類はしっかりと読みこんでおきましょう。行政書士などに作成を頼んだ場合でも自分の中でしっかりと内容を理解することが大事です。特に帰化の動機書の内容は何度も読み返してください。

  • 質問には正対して答えてください。虚偽は絶対にしないでください。

面接時間は人によりますが、30分~1時間が平均です。ただし、生活の状況や過去の経緯が複雑であったり、犯罪歴があったりすると質問が増え、面接時間は長くなります。法務局は職権で、申請者に関する資料を取り寄せることができます。疑問点があると、事前にさまざまな書類を確認し、申請書類以外のことも聞いてくる可能性がありますので、申請書類は相互関連性はしっかりと取って、疑問を持たれないようにすることが極めて重要です。

信頼が大事



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