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いま絵を始めるということ【2020/05/11】

・今から絵を描き始める人って大変なんだろうな、と思ったという話。

・かつてインターネットがこれほど普及する前は他人の絵を見る機会というのがかなり希少だった。ゲームセンターが廃れた理由の一つとして、昔であれば「学校で一番上手い」とか「この地域で負けなし」とかのステータスが持てたが、そんな人でも今はパッと目を向けると全国に自分よりも上手い人が何十何百といることがわかり、お山の大将になれないから、というものがあるらしい。絵でも確実にそれは起きているだろうなと思う。


・僕は幼少期からインターネットにズブズブの根暗ボーイだったけれど、その頃はまだ普及率も高くなく、人の絵を見る機会はそれほど多くなかった。個人ホームページに掲載された絵を見ることや、お絵かき掲示板がある程度。TwitterもなければPixivもない時代、人の絵に触れる機会は今より確実に少なかったし、触れるまでの難易度も高かった。そして「絵が上手い人」に触れることもそれほど多くはなかった。

・もちろん「一体どうやって描いてるの!?」と思うような上手い人はいて、その人が描くと皆こぞってコメントをして持て囃されていた。ただそれはかなり限られた人で、ひとつのお絵かき掲示板に数人しかいない「選ばれし者」だったのだ。

・ところが今ってちょっとインターネットを覗くだけで上手い人がゴロゴロいる。それはもうゴロゴロ、ゴロゴロ。ジャガイモみたいにいっぱいいる。(これは『芋づる式に出てくる』とかけた高度な洒落です)。

・プロの人が「これが落書き……??」と思うような絵を投稿しているのも珍しくないし、プロじゃないのにハチャメチャに上手いひとだっている。なんならプロレベルに上手い中高生だって、やはりジャガイモみたいにいる。昔であれば数える程度しかいない「選ばれし者」だった人が今はワンサカいるわけだ。

・ただ上手い人の比率が増えたわけではなく、目が届きやすくなったというだけなのだろう(オタク文化の根付きにより絵を描いている全体の総数自体間違いなく増えていると思うが)。


・SNSが普及する前なら学生の目が届く範囲って「学校の中」、広くても「住んでいる周辺地域」が限界だと思う。そしてアート系の学校などでない限り、そもそも絵を描いている人自体が希少だ(今の時代は違うのかな)。僕は高校生の時に絵がとても上手な先輩に会ったことがあるが、それでもやっぱり高校生にしては上手いというだけで、プロと言える程ではなかった。本来、生活の中でそういったプロレベルに上手い人に出会うことってそうそうないはずなんだ。

・いま全国で高校は約4800校ほどあるらしい。つまり校内で一番絵が上手い学校イチのやつを集めても4800人いるわけだ。その中でも更に上手い人が10人に1人いるとしても480人。学校の規模によってはこれだけでひと学校作れてしまいそうな人数だ。昔であればその「選ばれし者」は遠い遠い世界の存在であって、出会うことはおろか知ることすらない世界だったが、今はその上手い絵に出会うことがすごく容易だ。

・それに今は海外の絵だって沢山流れてくる、何かを始めるといきなり「自分」対「全世界」になってしまう。そんな環境に身を置いた状況で意志を強く持って描き続けるのって、かなり根気のいることだろうなあ、と想像できる。


・一方で学びやすい環境であるというのも事実で、ちょっとGoogleの検索欄に「〇〇 描き方」とかを入力したらズラリと講座やアドバイスが並んでいる。正しく学びながら成長すれば昔よりずっとずっと効率的に上手くなれるんだろうなとも思う。

・そして昔はツールの幅がとにかく狭かった。液タブはとても高価な品だったしiPadなんて存在すらしていない。ソフトも選択の余地がほぼなかった。ClipStudioもProcreateもSAIもない、Photoshopは高価だったから子供の僕には到底手が届かなかった。とはいってもペイントじゃ到底描けない……となった時にあるといったらそう、Pixiaくらいだったな……。

・GIMPは重すぎて無理だった。

・僕は絵を描いている年数でいえば長い方ではあると思うが、正直上達も何も考えずに描いていただけの時期が長かったから、その時期の成長はかたつむりみたいな速度だった。その後ちゃんと上手くなろうと描き始めたらようやく伸び始めたから、今からちゃんと基礎を覚えて描き始めた人の方がグングン上手くなれると思う。

・入るまでの間口は狭くなってしまったかもしれないけれど、一度入ってしまえばサポートは充実していると思うので楽しみながら頑張ってほしいな~って思うのでした。


・僕がPCで初めて描いたやつがこれです。



・これ日記? 日記か?


・わかんないけどいいや。


・今日のエンゼル。(41個目)

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