犬を動かす~飼い主とは何か
家庭犬には必ず飼い主がいます。
飼い主は、当然その犬のお世話をしなければなりません。飼い主が犬に対して行うのは、ご飯を与え、お散歩に行き、ハウスを清潔にし、健康管理を行い、人と共生する為のトレーニングを行い、そして看取る。
大雑把に挙げるとこんな感じです。
しかし、多くの飼い主は、『犬の幸せ』を考えていません。
飼い主が犬から幸せにして貰おうとして、迎える方が本当に多い。
癒されたいから飼うのも同等です。
だから、その期待を裏切られた時、感情的に犬に当たってしまい、悪循環が生まれ、最悪「飼育放棄」に繋がっていくのです。
そこが逆なんです。
『犬を幸せにしたいから迎える』
犬を迎える前に考えないといけないのは、まずここです。
今日まで『飼ったらしつけ』という概念が広く浸透していますが、それは、もう古い。
というか、その前の段階をあまり考えられてなかったんです。
『犬を幸せにしたいから飼う』
犬を迎える前にここを考えてほしいです。そして、この考え方が基礎となり、本書は進んでいきますので忘れないようにお願いします。
次に「犬の幸せ」とは何か?を考えます。
少し考えてみましょう。
お散歩ですか?お出かけですか?遊びですか?
色んな答えが聞こえそうです。
犬の幸せとは何か?
これは、『飼い主との時間』です。
多くの方は、犬と何かすることを考えたと思いますが、犬からすると、その内容はあまり関係なく、飼い主と一緒の時間を過ごすことに、幸せを感じます。もちろん、色んなことを一緒に行うことは、全然良いです。
つまり、何もしなくても犬は飼い主がそこにいるだけで、安心感をもち、一定の幸福感を得ることが出来ます。
では、その逆も考えてみましょう。
飼い主との時間が犬の幸せであれば、飼い主がいない時間は?「不幸」ですか?
答えは「不安」や「恐怖」です。
犬にとって幸せの対義語は「不安」や「恐怖」です。これは、必ず覚えてください。
何故「不幸」じゃないのか?と聞こえてきそうなので説明します。
「不幸」とは、比べるものがあってはじめて感じるもの。人が不幸と感じるのは、他人と比較しているからです。
犬はそれがありません。なので、幸せの対義語は不安と恐怖になります。
犬の不幸は勝手に人が決めているに過ぎません。
では、何故このような「幸福」「不安」「恐怖」といった感情を持つのか?
犬は自立して生きていくことが出来ず、飼い主が必要なことを知っているです。
元々知ってるわけではありません。
学習しているからです。
飼い主にご飯や水を与えられ、お散歩に出かけ、トリミングに行ったり、病院に行ったり、全て飼い主がいないと出来ないことを学習しています。
なので、わざわざ犬を迎えて飼い主の方が立場が上だと「しつけ」名目の虐待をしなくても、犬は飼い主が上だと知ってます。
少し話が逸れたので戻します。
犬の幸せは、「飼い主との時間」
どうでしょう?日頃から留守にすること多くないですか?仕事してるから当たり前、遊びに行くから仕方ない。
確かに仕方ないことかも知れません。
しかし犬はその間、不安や恐怖の中、飼い主が帰ってくるのを待っていることを、考えていてほしいです。
ここまで、飼い主の基礎的な考え方を説明しました。
最後に、『犬にとって飼い主とは誰か?』を考えます。
犬からすると、迎えた人が飼い主なんてことは知りません。
今、生活のお世話をしてくれる人が「飼い主」になります。
つまり、犬を迎えた人はもちろん、ペットショップの店員であろうと、ブリーダーであろうと、保護してる人であろうと、犬からすれば「飼い主」になります。
どの立場であっても、その犬の飼養者であれば、犬の幸せは考える必要があります。
どうでしょう?全ての人達が、「犬の幸せ」を考えているでしょうか?
良い飼い主に繋げることが、本当にその犬達にとって幸せなんでしょうか?
もし、出来てないことがあるとすれば、今日から少しでも考えてあげてください。
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