9月13、14日

9月13日

昨日は元気だったのだけど、昼、体が重くてモネと布団に横たわっていたら勝手に涙が出てきて、真っ暗な部屋で静かに泣いていた。

しばらくして泣き止んだので、母が作ってくれたカレーを食べた。母は私が自殺未遂してからますますげっそりし、顔の皺が更に深くなった。美容院にも何ヶ月も行ってないから、纏まらない髪の毛を後ろで結って、疲れた顔してキッチンに立ったり洗濯を干したり、少し前まで私が昼間していた家事をやっている。毎日仕事に打ち込んで、きっちりメイクをし、周囲に愛想笑いを振りまいていた姿を、私の友人の男子たちは必ず美人と称えたものだった。しかしそのころの面影は今は全く見られない。

罪悪感。小さい頃から家族の顔が疲れで曇っていくのに比例して私は罪悪感に苛まれ、体がどんどん強張った。大人になった今も、母の疲れた顔を見ると、胸のあたりに墨汁を溢したような気分がしてきて、息が浅くなっていく。私が自殺未遂したせいで母がこんなふうになって申し訳ないという思いと、母を始めとする家族に追い詰められて殺されかけたという思いで毎日揺れている。

昼からまた野口整体へ。毎週受けててお金が続くか不安になってくる。母は私が自殺未遂してから未だに仕事に行っておらず、私が行くところ全てについて来る。私がちゃんと帰ってくるか心配しているのだ。

駅までの道を二人で歩いていると、急に胸が苦しくなって涙が止まらなくなってしまった。あの日の恐怖が私を飲みこみ、足がすくんで動けない。出てくる涙をそのままに、とりあえず息を吸おうと試みるのだが、ゼーハーゼーハーと奇妙な呼吸音が響くのみで全く空気が入ってこない。植え込みに咲くピンクの群生した小さな花を見つめながら、胸に手において、吸って、吐く、吸って、吐く、どんどん胸がギュッと締め付けられて体が固まってくる、自分の胸から発されている呼吸音を聞きながら、口をパクパクさせているだけでどれだけ頑張っても息ができず苦しい、体も硬直して動けない。

「過呼吸でしょ!これでも飲みなさい!」

心配した母に渡された水筒のお茶を飲んだら気管に入って咳が止まらなくなった。咳と共に涙がどんどん出てきて何故泣いてるのかもわからない。立っていられなくてその場に座り込む。ピンクの花たちが顔に触れそう。

しばらくじっとしていたら咳が止まって呼吸ができるようになってきた。「折角だから頑張って行こう」と母に促され泣きながら電車に乗り込んだ。整体に着く頃は泣き止んで、いつもと変わらず施術を受けた。

整体後は胸が開いて気分がスッキリした。体も軽くなり行きしなにあんなことになったなんて考えられないくらいだ。体の具合がよくなると、いつもジリジリ迫ってくるあの日のことは遠くに行ってしまう。

肩甲骨が前に来ると胸が苦しくなったり痛くなったりするとのこと。お医者さんには、胸が痛いのは自己免疫疾患の初期症状と言われて落ち込んでたのだけど、少し安心。今日教えてもらった肩甲骨を後ろに下げる体操を一日何度もやろうと思う。

野口整体に通って一ヶ月と少しで大分体が柔らかくなってきた。前は痛みが強すぎて体を動かすこと自体が怖かったのだけど、夜、15分くらいのヨガの動画を見ながら体を動かしてみる。ヨガなんて6年ぶりだろうか。以前より体が硬くなってしまっていて、できないポージングもあったけど、背中や脇腹を伸ばすことに痛みより心地よさを感じることができた。フェルデンクライスメソッドの時もそうだけど、最近体を動かすことが心地よいと感じることが多いし、自分が思ってるより動けることに驚く。体の内側から自由になっていくよう。

寝る前に先週編み物教室で作ったカギ編みコースターをもう一度作り直す。今回は以前よりゆるくサクサク編めた。これができたら次は輪針でスヌードを編む予定。

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9月14日

酷い頭痛で夜中に目が覚める。雨粒達が自転車置き場のトタン屋根に当たる音を聞きながら大型台風が北上していることを思い出す。低気圧のための頭痛か、もしくは昨日ヨガなんかをしてしまったためか。

左耳から左頭にかけてキリキリ痛む。眠れぬまま朝を迎える。ベランダに出ると灰色の空から斜めに落ちてくる雨粒達が向こうのマンションを霞ませている。

昨日折角整体に行ったのに耳の痛みがきつすぎて痛み止めの点滴に行った。早く点滴生活を脱したいのだけど、回数は大分減っているから良しとしよう。

その後、発達障害の検査のためメンタルクリニックへ。余り乗り気でなかったのだけど、母が受けろと勧めてくるので予約した。

ちょうど「公文式」の小学4年生くらいのテストをひたすら受ける。30分もたつと頭痛が酷くなり、脳が完全に働くなくなってきた。何度もフリーズする脳を強制的に稼働しながら受け続けていたけど、途中から完全に頭が回らなくなってしまい、心理士の質問に対し「わかりません」を連発。この検査は3時間もあるらしい。「すみません、頭が痛すぎて答えられないので今日は打ち切りにしてもらっていいですか?また次回に続きをします」、と2時間弱でギブアップ。次回の予約をして帰路につく。半分以上答えられなくて、検査の意味がないけど、疲れるからやり直しもしたくない。

ずっと座ってたから体も痛くなってしまって帰って寝込む。


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