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【投資家対談シリーズ④】堅実な業績が語る、投資家から見たクウゼンの魅力とは?

クウゼンは2023年6月にシリーズA2ラウンドの資金調達を完了し、累計調達金額は、12.5億円になりました。
株式会社イノベーション 富田様と、当社CEOの太田が対談を実施。投資における考え方やクウゼンへの投資に至った背景、今後の期待などについて伺いました。

【投資家プロフィール】
株式会社イノベーション 代表取締役社長  富田 直人
横浜国立大学工学部電気工学科を卒業後、リクルートで営業・マーケティング・広告サイトの立ち上げやマネジメントなどを担当。2000年に株式会社イノベーションを創業してB to Bマーケティング支援事業を展開。2016年に東証マザーズ(現グロース)に上場する。2022年4月、同社およびハヤテインベストメント株式会社の共同でCVCファンド「INNOVATION HAYATE V Capital」を設立し、起業時に掲げたビジョン「『働く』を変える」の実現に向けた関連分野のスタートアップ支援に注力している。

-クウゼンとの出会いについて、教えてください


富田)2022年12月に開催された第7回Orque d’or Pitch(東海東京証券株式会社主催)に参加した弊社のCVCの担当者から、非常に魅力的なスタートアップ様がいらっしゃるということで紹介を受け、その後、クウゼン様と出会いました。
2022年の4月にCVCを設立してから1年4ヶ月ほどが経ち、これまでに200社以上のスタートアップ様にお会いしていますが、実際にご出資に至ったのは6社(※直接投資を含む)です。投資条件にフィットしない場合や、事業成長に対して懸念がある場合はお見送りとなってしまうので、ご出資ができるのは3%程度です。

-なぜ、数ある会社の中でクウゼンに興味を持ってくださったのでしょうか?


富田)以前から、マスマーケティングやセグメントマーケティングの限界は感じており、One to Oneマーケティングが可能となるAIチャットボット市場の成長性には注目していました。実際に、弊社が運営するITトレンドでは、2022年11月に米OpenAI社がChatGPTを一般公開してからの6ヶ月で、チャットボット関連ソリューションの月間資料請求数が2.5倍に増加しており、市場が『AI×チャットボット』の組み合わせに期待しているのを肌で感じていました。

-実際に代表の太田と会って、どのような印象を持ちましたか?


富田)賢くて、スマートな方だなという印象を持ちました。
出会った当初は、太田さんのご経歴から外資系金融会社の出身で一流のビジネスマンとして活躍された方という印象がありました。しかし、起業家として、ビジネスを成功させるポテンシャルがある方かどうかはわかりませんでした。私自身、2000年の12月に弊社を起業しまして、多くの起業家、経営者と交流をしてきましたが、いわゆる一流のビジネスマンだった起業家でも事業がうまくいかないケースを数多く目にしてきました。
しかし、クウゼン様の事業について話をお伺いした際、チャットボット市場の成長を素早く捉え、着実に伸ばし続けていらっしゃる業績を見て、太田さんの高いビジネスセンスを感じました。

太田)自身のビジネスセンスについて分析する機会はありませんでしたが、結果を出すことへの意識は、金融業界での経験が影響していると思います。
結果を数値で示すことの重要性を強く認識しています。自分たちの事業を支え・守る、そして対外的にも評価してもらうためには、実績が一番わかりやすいです。逆に実績がないままに進んだ時は、どこかで化けの皮が剥がれると言いますか、いつか突き詰めると難しい局面に直面することになると思います。だからこそ、実績を着実に積み上げていくということを、実直にやる必要があると思ってます。

富田)その通りですね。ごく当たり前のことですが、太田さんが常にその価値観をストイックに実践されている姿勢は、クウゼン様の将来性への信頼度にも繋がりました。

太田)現時点の事業成長は、実は数ヶ月前の努力の結果がようやく数字に表れたものだと思っています。我々のサービスは決して安い単価ではなく、お客様がその場で即決してくれる性質のものでもありません。日々の試行錯誤の積み重ねが、結果的には現在の成果を生んでいます。価格帯やターゲット層なども、常にお客様の動向を見ながらチーム全体で改善を重ねてきた結果、今の形が出来上がっています。

富田)おっしゃる通りだと思います。事業に関わる意思決定や経営努力というのは、感覚的には1年半後に結果が出るものだと考えています。クウゼン様が現在好調なのは、ある意味1年半前の取り組みがようやく実ったからだといえるでしょう。逆に言えば、今認識している経営課題をを解決・改善するには1年半の時間かかるということです。日々、努力を積み重ねつつ、自社の課題に向き合う姿勢が重要だと思っています。

-出資するに至った決め手は何でしょうか?


富田)投資条件に合致することも大切ですが、最終的には私の直感的な判断でした。
投資案件としては、事業計画や実態の確認はもちろん重要ですが、経営者への投資という意味では、太田さんが大事にしてるものや見てるものが私と共通する部分が多かったということが決め手でした。加えて、ポテンシャルを秘めている太田さんが、経営者として成長し、成功されるのを近くで支援したいという気持ちを強く持っていました。
そして、太田さんと関わることが多くなった今では、CVCとしての出資の判断が、正しかったと確信しています。

-出資までの経緯で印象に残っているエピソードなどはありますか?


富田)一般的には投資前の検討段階で業績を報告する場合、通常よりも高く目標設定してしまいがちです。その結果、目標未達という結果に至ることが多い。
事業価値が高ければ投資を受けやすくなるため、起業家が実態以上に好調を装ってしまうのはよくあることです。
しかし、クウゼン様は、高い目標を掲げつつも堅実さを保ち、それを着実に達成し続けていました。通常、社長であれば、次の月の売上予測はかなりの精度で見通せるべきなので、当然のことと思われるかもしれませんが、人間の心理を考えると、投資家の前で事業を大きく見せず、ありのままの姿を見せることは意外と難しいことだと思います。

太田)確かに、私自身も含めてあまり派手な花火を打ち上げるタイプの会社ではないと思います。もちろん、リスクをとりながら挑戦する場面も当然ありますが、SaaSのビジネスモデルですので長期的に着実に信頼と実績を積み重ねていく必要があります。
お客様に当社のプロダクトを使っていただき、そして満足していただくというサイクルを繰り返すことで、売り上げが持続的に形成されていく。これこそが理想的な姿だと思っています。
それを現在のチームで誠実に実行し、計画通りに着実な成果を上げているということだと思っています。

-今話題のChatGPTに対する期待はありますでしょうか?


富田)広い意味でのAIは何年も前から存在していて、来るべくして今、注目を浴びているのだと思っているので、そこまでの驚きはありません。
社会やお客様のために役立つAIの活用方法を探っていくために、新規事業の立ち上げなどに取り組んでいます。

太田)AIをどう使いこなすかという点に関しては、それなりに難易度が高いと思っていますので、当社も今は探求を続けている状況です。現在、クウゼンでは、PoCと言う形でお客様と一緒にChatGPTの有益な活用方法を探っています。どんなに技術が優れていたとしてもお客様が価値を感じてくれないと何の意味もないため、お客様に提供できる価値が明確になるまでは、ChatGPTの活用方法を探し続け、未来に向けての準備を進めていきたいと考えています。

-最後に、クウゼンに期待することは何ですか?


富田)クウゼン様を利用されるお客様はBtoC向けのサービスを展開しているお客様です。日本の経済を変えていく上で、彼らがどれだけDXを進められるかが鍵となると思います。高機能なテクノロジーの技術と使いやすさが特徴であるクウゼン様のプロダクトを通じて、ぜひ彼らのDXを推し進めていただきたいです。
また、最近は「DX」と言う言葉も一般的になってきましたが、DX事業者とエンドユーザーとの間にはまだ大きな溝があります。DXの概念を理解していても活用し切れない中小企業が多数存在するため、そのような企業にも提供できるプロダクトになっていくことを期待しています。

太田)お客様によって、新しいテクノロジーを取り入れる際の障壁の高さは企業ごとに異なります。多くのお客様に価値を提供するためにも、お客様のニーズに最適に対応する形でサービスを提供していく方法を模索していきたいと思います。
今後も、積極的にテクノロジーの新しい技術を取り入れ、多くのお客様のビジネスの可能性を広げていくことで、テクノロジーカンパニーとしての使命を大切に、取り組んでいきます。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

採用情報

これからも、株式会社クウゼンをよろしくお願いします。


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