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月の裏には残らない

知ってしまったことは恐ろしくて、それでいてかけがえのないことだった。

貴方は思い出せますか?
始まりの感動を熱量を。
感動した事だけを思い出すだけで胸には温かさは宿らない。

今はもうその熱量を持っていない。
人はそれを保温できない。
永遠に燃やし続けるのは難しい。

断続的には燃やせても始まりの熱量と同じにはなれない。

哀しくて愛おしくて悔し。


始まりの熱量を知ってしまったから
もっと大切にするべきだったと思ったから
囚われる

私の人生はあと何回大きな熱を生み出せるのだろう。
もしかしたらもう生まれないかもしれないから自己欺瞞だとしても今を月の裏になるまで温め続ける。

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