フィリピンタイムってなんだろう

フィリピンタイム。

マニラで日本人数名フィリピン人数名が待ち合わせをして、遅れたのは日本人の僕だけだった。フィリピン人は全員オンタイムで合流していた。僕は約10分ほどの遅刻。謝りながら合流すると、
いやー大丈夫ですよここはフィリピン、フィリピンタイムですから(笑)、10分の遅れくらいフィリピン的にはオンタイムのようなものですよ。。。
と他の日本人のメンバーから労っていただいた。

もしこれが日本で起こっていたら、僕はきっと他の日本人メンバーからお小言の一つも食らっていただろう。
けれど、マニラでは遅刻していないフィリピン人を前に、遅刻した日本人に対し「フィリピンタイム」といって笑って許してくれる。

日本を先進国に押し上げたpunctualityが欠けていることが長期的に見て様々な場面でロスに繋がる、ということを認識できない環境にいるフィリピンの人たちは確かにたくさんいる。それは功利主義、資本第一主義から取り残された人たち、とも言えるだろう。
けれどそういう人たちをもって・そういう人たちしか見ず・そうでない人に会っても自分の持つイメージを改めることもなく・これがフィリピンというものだとする言説には、根底になにかしらの傲慢さがあるのでは?と感じることがある。

言い訳はいくらでもできると思う。
冗談ですよ・・・
そんな大袈裟に捉えないでくださいよ・・・
みんながみんなそうだと言ってないじゃないですか・・・
これはね、フィリピン初めての人にこういうのもあると説明したかっただけですよ・・・
そこで真顔で咎めるのも大人気ないでしょう・・・

エスタブリッシュメントな職業や地位にあるフィリピン人はほとんど遅刻しない。彼らが遅刻する時はそれなりの理由がある場合だ。
実際、僕の取引先の人は僕との待ち合わせに遅刻したことはないし、その取引先のコネで今回待ち合わせをした人たちは現に遅刻をしていない。

フィリピンタイムってなんだろう?
これが、時間にルーズなことを表すステレオタイプとして一般化されて使われているならば、これほどフィリピンを侮辱していることは無いと思う。

本当は、
これはフィリピンタイムでもジャパンタイムでもなく、単に僕がルーズなため犯したミステイクです。
とその場で言わなければならなかったと思う。

それが咄嗟に出てこず、和んだその場の雰囲気を忖度して笑って流してしまった僕の愚鈍さに腹が立つ。
僕も典型的な日比関係の鋳型にどっぷりつかっているんだな・・・と思う瞬間だ。

確かにフィリピンタイムと聞いてガハハと笑っている方が、マジョリティの一員になれる。仲間が増えて今後のうまい立ち回りやステップアップにも繋がるんだと思う。
ここでこんなことを書くのはめんどくさい人間だと煙たがられるのがオチだと思う。

けれども僕はリスペクトされるべき人や物事をちゃんとリスペクトできるフェアな人間になりたい。フィリピンの人たちのように。

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