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|ルビ遊び《マクド/マック問題の覚書》

noteでも振仮名ルビをふれるということなのでやってみよう。


 マクド/マック問題の話になると、
「じゃあ朝マックのことも朝マクドって言うのかよw」
 と力太郎の軍勢が作れるほどの手垢常套句を投げつけてくる不成者ギャングスターがいる。

 それに対してぐぬぬと返答に窮してしまう関西人が烏滸おこであるのは言うまでもないが、
「いやいや、朝マックはそれでそういう一単語やからwマクドナルド全体のことをマクドと略すのとはまたわけが違うからw」
 と切り返す関西人もまたれ者というほかない。

 関西人が、マクドナルドをマクドと略すかたわらで、朝マクドという言葉を用いるのを蛇蝎だかつの如く嫌うのは、単純に発音イントネーションの問題である。

 周知のとおり、マクドの発音はミスドと同じでどこにもアクセントのない平板な発音である。
 そしてこの発音は他の語の下に組み合わせて複合語を用いることができない。

 関西弁母語話者ネイティブは、マクドをミスドと同じ発音以下、この発音を【マクド】と表記するのまま用いて

 「朝にマクドナルドに行こう」という意味合いで
 「朝、【マクド】行こう」と発言することは容易であるが、

 「朝食として朝マックを食べよう」という意味合いで
 「朝ご飯、朝【マクド】にしようや」ということはできない。

 努々ゆめゆめ勘違いしないでほしい。
 しづらいのではない。できない・・・・のである。


 一連の語として「朝【マクド】」と発音することは関西弁母語話者にはできない。【マクド】と発音したが最後、朝とマクドは別の単語になってしまう。
 無理やり「朝マクド」で一連の語として発音するなら、「ファクト」や「アジト」と同じような、一音目にアクセントを置いた《マクド》という発音になってしまう。
 つまり、朝【マクド】ではなく、朝《マクド》と発音せざるを得ないのだが、この《マクド》という発音はいかにも似而非えせ関西弁然としたものであり、母語話者にとっては非常に耳触りのよくないわざと「誤用」しているのである!引っかかったな明鏡国語辞典の間者め!!音である。
 したがって、我々は朝マクドということができず、やむなく朝マックという言葉をそのまま流用しているのである。


 ちなみに、この【マクド】という平板な音は、他の単語の前にもってきて複合語を作る場合にはさほどの違和感はない。
 したがって、マックフルーリーのマックの部分をマクドに変えて、【マクド】フルーリー、ということは可能であるし、それほどの違和感は覚えない。
 にもかかわらず、多くの関西人がマックフルーリーと言うのは全く理にかなった行動ではないので、これを読んだ関西人は明日からマクドフルーリーと言うべきであろう。
 そんな平板な発音は御免被る、という関西人がいるのなら、結局のところ江戸の空気に憧れているだけの凡俗であるから、いてこましてやるケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わしたるとよかろう。。

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