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ラブラブアイラブスーパーアイラブユー

 愛は祈りだ。僕はいn

 ムーギコちゃーん!!ただいまー!!んー、のびーってしてるけど、寝てたん?今まで寝てたの?そーなの。鼻かぴかぴやんか。とちくんいないからさーみしーなーって寝てたの?あーしょうなの。まあかわいらしいムギコちゃん。んー、そんなしっぽ振ってうれしいなーって言ってるの。とちくん帰ってきてうれしいなーって、うれしいからボールもくわえちゃうわーって言ってるの、ムーギコちゃん!あらそーなの、もううれしいからぴたってくっついて離れないわ〜て言ってるの、そーなの。うれしいからお腹もなでてほしいわーって、でも今はヌケヌケの実の能力者の時期だから毛がいっぱい抜けてベッド真っ白になるけど、そんなの知らないわ〜って言うの、そーなの、ムギコちゃん。


 祈るどころじゃなかった。ぶちまけている。

 ムギコちゃんは所詮は単なる犬畜生で、そのなかでもオツムがよろしいとは言い難い柴犬という、足の裏からポップコーンの匂いがするくらいしか取り柄のない犬種だから、僕の熱烈なラブラブ千本ノックを1ミリだって理解できやしないのだけれど、それでも僕の口は帰宅するたびに愛の言葉を自動的に垂れ流している。

 本当にひどい浪費であって、僕は一日のべ1時間はムギコちゃんを愛でるのに使っている。そんな暇があればこんな駄文の一本や二本は書き上がってしまうし、溜まっている仕事だっていっぱいあるのだ。意味も解さない畜生に放つラブラブマシンガンのせいで僕の家の周りだけ二酸化炭素濃度が高くなって、グレタ・トゥーンベリがカチコミに来るかもしれない。

 それでも僕はぶちまけている。

 僕の言葉をちゃんと理解してくれる、僕が愛をぶちまけるべき人はもっといるかもしれないのに(あるいはこの文は過去形で書くべきなのかもしれない)、僕は今日も明日も明後日もムギコちゃんに愛の言葉をぶちまける。

 
 それでも愛は祈りだというから。

 誰かに祈りが届くこともあるだろう。

 
 愛は祈りだ。僕はいn

 ムーギコちゃん、どうしたのー?もっとかわいがってほしいわーって言ってるの〜……………

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