畳のはなし

こんにちは。木のいえ設計室くわくわの巻 京子です。

いつの頃からか、私たちの住宅から畳の部屋がなくなってしまいました。

思い返せば、40年前、テレビでは毎日のように、畳に潜むダニのせいでアレルギーが悪化する、と放送していた時期がありました。それが当時のスタンダードな考え方になり、畳の部屋をフローリングにリフォームする家が増えました。

ところが、そのフローリングは、合板と言って、アジアなどの木材をスライスして、ホルムアルデヒドたっぷりの接着剤で貼り合わせた、偽物の木の上に、木目のプリントを貼り付けた最悪の品物でした。

当時のホルムアルデヒドの規制値は、2004年にできたシックハウス 法の規制値の10倍。しかも、名称はF0などと呼ばれていたものでさえ。ひどいものです。

フローリングの使用が増えたその頃から、シックハウス 、化学物質過敏症が増えてきたように思っています。

畳は、ダニの温床?本当に?

畳は、日本の気候にとても合う素材だったのに?

実は、その畳の作り方、使い方にも問題がありました。昔の家は冬の断熱性能よりも、梅雨時や夏の通気の良さを優先させていたので、畳の下には杉の板が張られていました。基礎もコンクリートで囲われているのが主流になって、通気が悪くなりました。本来の畳は、藁で床を作り、そこにい草の畳表を張り、作っていましたが、高度経済成長時の量産型住宅が主流になった時から、畳の下には合板を張り、畳の中に断熱材を入れて、海外産の畳表を張る、と言うのが主流になってしまいました。

通気が良い訳がありません。かくして、ダニの温床になってしまったのでしょう。

昔、自宅の畳がボロボロになったので、ホームセンターから大きなゴザカーペットを購入してきたことがありました。不自然に緑色で、不自然に畳の匂いがきつくて、何度も雑巾で拭いてみましたが、雑巾は恐ろしいほどの緑色に染まって、匂いも消えることがありませんでした。

後で、知ったことは、その緑はゴルフ場のパターの芝に使うマラカイトグリーンという着色料を使っていたこと。農薬もたっぷり使われているい草だった、ということを知りました。

今、ハウスメーカーで使用されている畳がどのようなものかはわかりませんが、木のいえ設計室くわくわは、九州福岡や熊本のい草、藁を使ったすばらしい畳を使わせていただいています。

琉球畳のような細かい織りの畳は、強く、あたりも柔らかい、本畳です。技術者や、い草を作る方がいなくならないためにも、お宅に一部屋くらいは、畳のお部屋を作ってみませんか?

冬の足元にとても暖かいことは、間違いありません。

自然素材の家づくりは、木のいえ設計室くわくわへご相談ください。


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