見出し画像

【スマトラヒラタ】お財布に優しいのにデカくなる2本羽化がおススメ!

こんにちは!StagBeetleです。

今回はスマトラヒラタの幼虫割り出しについて書いていこうと思います。

一口に幼虫割り出しといっても案外奥が深いモノです。
どのタイミングで割り出すかによって、使用する菌糸ビンの本数や管理期間の長さなどが変わってきます。

スマトラヒラタはクワガタ界トップクラスの人気種ですので、飼育者数も大変多く、大型化する飼育方法はある程度確立してしまった感はあるのですが、如何にコスパよく大型化させられるかといった観点から突き詰めれば、まだまだ飼育方法を探求する余地はあるように思います。

という訳で、ここからは筆者なりの考えを書いていこうと思います。

前回、採卵の記事を書きましたが、あれから2ヵ月ほど経ち、2令中期の幼虫が見え始めたのでいよいよ割り出しです。

なぜ、産卵セットで2令中期まで育てるのかというと、下記のような理由があるからです。

1.割り出しで幼虫の見落としが少ない&雌雄判別が可能
2.菌糸が喰えずに幼虫が死んでしまうリスクを防ぐ
3.オスは2本羽化、メスは1本羽化が可能で飼育コストを抑えられる
4.菌糸ビンの交換タイミングがわかり易い

まず1つ目のメリットですが、2令中期というと大体4~5㎝くらいのサイズに育っているので、割り出したときに見落としたり潰したりしてしまう心配がないということが挙げられます。

スマトラの幼虫割出し

しかも、これくらい成長していれば、お尻の斑紋や頭の大きさから雄雌の区別がつくので、その後の管理(交換する本数などの把握)も容易になることもメリットとして挙げられるでしょう。

2つ目のメリットは、菌糸が喰えなくて死亡したり成長不良になったりするリスクを防ぐことが出来るということです。
初令から菌糸を喰わせた方が大きくなりそうな気がするかと思いますが、ヒラタの場合は、初令幼虫の段階では不朽の浅いエサは消化吸収出来ない個体が多いようで、成長しないまま死亡してしまうリスクが高いです。
なので、菌床を消化吸収できるようになるまでは、じっくりとマットを食べてもらおうかなと言うのが2令まで産卵セット内で育てる理由になります。

そして3つ目のメリットですが、これが1番大きなメリットかと思います。
通常、菌糸ビン交換は3~4か月おきに行うので、オスなら羽化までに3~4本の菌糸ビンが必要になるのですが、2令中期割り出しなら2本で羽化まで持って行けるのです!
それでいて100mm超えは全然普通に有り得ますから、ものすごくコスパが高いです。
使用する容器は1本目は1400㏄、2本目で3200になります。
メスも1400㏄に入れてしまえば、1本で羽化まで持っていけるので交換が無くて非常に楽です。

最後に4つ目のメリット、交換のタイミングがわかり易いということですが、2令中期で菌糸ビンに入れると、大体3.54か月くらいで7割ほど食い上げてきますので、そのタイミングで2本目の3200㏄ボトルに交換します。
あとは羽化まで様子見です。
これが3本羽化だと、2ヵ月程度でもう一回菌糸ビン交換が必要になり、個体によっては交換によって蛹化のスイッチが入って十分に大きくなれないものが出てくるのですが、2本返しならそう言った心配がほとんどいりません。
これが2本羽化のメリットです。

ちなみに、スマトラの場合、20℃管理だと幼虫期間が10か月程度になります。
産卵セットで2ヵ月、1本目の菌糸ビンで4か月過ごしているので、残りの4か月(羽化までに+2ヵ月)程度を2本目のビンで過ごしてもらうということになる訳ですが、こうして羽化までの期間を逆算すると無理矢理2本目を引っ張っている訳ではないことが解るかと思います。

スマトラの100mmを作出するのに、特別なテクニックとか高い菌糸を使う必要はありません。
クワガタのライフサイクルに合わせて必要量の菌糸ビンを与えているだけで十分に作出可能ですから、初心者の方にもおススメな種です。

自分にとってベストな菌糸や交換サイクルを考えて実験してみるのも飼育の楽しみになると思います。
今回ご紹介した内容が気になった方は是非試してみてください。

それではまた!

いいなと思ったら応援しよう!